平成22年春期の基本情報技術者試験の問題は、過去3回の新制度の試験の中では最も合格率が低く、やや難度の高い試験となりました。問題を個別にみると、決して難度が高いものばかりではないのですが、解答に時間を要するであろう問題が多く見受けられました。今後もこの傾向が続くようであれば、試験時間内に合格点に達する解答を作成するスキルが必要です。

 午前試験の対策としては、過去問題の演習を中心にすべてのテーマを均等に学習しないで、取捨選択を行うとよいでしょう。学習時間に対する見返りが大きい=得点に結びつく分野を中心に学習を進めましょう。「ストラテジ系の用語を覚える」など、出題頻度が高く深い理解がなくとも得点に結びつく分野は積極的に学習を進めましょう。

 午後試験の対策としては、次の点があげられます。

  • 問題文の読解力を養う
  • 基礎知識は午前試験の対策で身につける
  • アルゴリズムは満点を狙わない
  • プログラミングに自信がない人は表計算の選択を

 さらに、問題を選択する際には、次のような注意が必要です。

  • 問題文ではなく設問と解答群を見て選ぶ

 何を答えなければいけないかは、設問を見なければわからないからです。また、問題文は一見難しそうでも、設問をみると易しい問題もあるためです。

  • 計算問題を選択しない/選択する を決めておく

 計算問題は得手不得手がはっきりとします。苦手な場合は選択しない/得意な場合は積極的に選択する、という方針を決めておきましょう。

平成22年春期午前試験の出題分類

 平成22年春期に行われた試験の出題は、次のような分類でした。

 出題の難易度は、旧制度の試験と変わりません。実際の出題も過去の問題を踏襲、または、過去に出題された問題が多数出題されています。しかし、旧試験よりも出題範囲が広がったことから、新しい問題も増えています。