写真1●万博会場内のスウェーデン・パビリオン
写真1●万博会場内のスウェーデン・パビリオン
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写真2●スウェーデン・パビリオン内で開催したエリクソンのセミナー
写真2●スウェーデン・パビリオン内で開催したエリクソンのセミナー
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 2010年5月17日と18日、上海万博会場内のスウェーデン・パビリオン(写真1)では、世界中から100人近いジャーナリストが参加するイベントが開催されていた。主催したのはスウェーデンの通信機器ベンダーであるエリクソン。モバイルの通信機器インフラの分野では世界シェア第1位の通信機器ベンダーだ。そのエリクソンが「エリクソン・ビジネス・イノベーション・フォーラム2010」と題した、主に中国の通信市場をテーマにしたセミナーを実施した(写真2)。

 セミナーには同社のナンバー2クラスのダグラス・ギルストラップ戦略担当上級副社長が参加。このほか中国トップクラスの経済学者に加えて、中国移動(チャイナ・モバイル)や中国聯通(チャイナ・ユニコム)といった中国の通信事業者の幹部も講師として出席した。

 実は、エリクソンがジャーナリスト向けのイベントを開催していたのとほぼ同時刻に、スウェーデン・パビリオンから100メートルも離れていないフィンランド・パビリオンでも、同じく通信機器のインフラ分野でエリクソンなどとシェアを競うフィンランドのノキア シーメンス ネットワークスがジャーナリスト向けの説明会とデモンストレーションを実施した。

写真3●ノキア シーメンス ネットワークスがTD-LTEのデモなどを披露
写真3●ノキア シーメンス ネットワークスがTD-LTEのデモなどを披露
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 ここには同社のラジーブ・スーリCEO(最高経営責任者)も参加。中国が推進する次世代モバイル規格「TD-LTE」のデモなどを実施するなど、中国進出に向けたアピールに余念がない様子だった(写真3)。

 つまり、通信機器インフラの世界市場で1位、2位を争う巨大企業2社が、万博会場で“激突”し、その存在感をジャーナリストを通して中国市場に訴えたわけである。