Amazon EC2は、外部連携用のプログラムインタフェース(API)を公開することで開発者を呼び込み、さまざまな付加価値サービスの登場を促した。2009年1月にWebベースの管理ポータルの構築に取り組み始め、より幅広いユーザーが使えるクラウドサービスになりつつある。

 EC2の管理手段は、そのユーザーインタフェースに応じて大きく3種類ある。Web管理ツール「AWS Management Console」、Webブラウザ「Mozilla Firefox」向けのアドオンソフト「Elasticfox」、EC2を制御するコマンドラインツールやAPIである(表1)。

表1●EC2の主な管理手段
AWSが用意するWeb管理ツール「AWS Management Console」、Firefoxのアドオン「Elasticfox」、REST/SOAPのAPIの大きく3種類ある。
リソースの種類 機能 AWS Management Console Elasticfox コマンドラインツール・API
サーバー ダッシュボード ×
仮想マシンの起動・終了
仮想マシンイメージの管理
Reserved Instancesの設定 ×
Spot Instancesの設定 ×
秘密鍵の管理
ストレージ EBSの管理
スナップショットの管理
ネットワーク Security Groupの設定
Elastic IPの管理
Elastic Load Balancerの設定 ×
Virtual Private Cloudの設定 ×

基本管理はWebブラウザ上の「AWS Management Console」で

 このうちAWS Management Console(AWSMC)は、仮想マシンや仮想マシンイメージ、拡張ストレージの「Elastic Block Store(EBS)」、負荷分散の「Elastic Load Balancing(ELB)」といった主要機能の多くを制御できるWebベースの管理ツールである(画面1)。随所でヘルプ情報をポップアップするなど、分かりやすさを前面に押し出した作りとなっている。

画面1●Webベースの管理ツール「AWS Management Console」のダッシュボード画面
画面1●Webベースの管理ツール「AWS Management Console」のダッシュボード画面
EC2のリソース使用状況や稼働状態などを確認できる。
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 AWSMCは、2009年1月に始まった比較的新しいサービスである。AWSMCが登場するまでは、Webベースで管理するには米RightScaleの「RightScale」のようなサードパーティのサービスを使う必要があった。

 2010年5月時点では、AWSMCは英語版のみの提供となる。日本語でEC2を管理できるサービスとしては、サーバーワークスの「Cloudworks」がある(画面2)。地域ごとのリソースを一覧できたり、料金の試算などを日本円に換算して提示してくれたりするなど、本家より分かりやすいサービスに仕立ててある。

画面2●サーバーワークスの管理サービス「Cloudworks」のダッシュボード画面
画面2●サーバーワークスの管理サービス「Cloudworks」のダッシュボード画面
日本語でEC2の各種リソースを一覧できる。
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