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 ルーティングは,日本語で言うと「経路選択」という意味だ。ルーター間でパケットをやりとりする際に,あて先のルーターを決めるためのしくみである。次にどのルーターあてにパケットを転送するかを判断するために使う対応表は,「ルーティング・テーブル」と呼ばれる。

 本問題は,このルーティング・テーブルについての設問だ。ルーティング・テーブルは「show ip route」コマンドで確認できる(図1)。show ip routeはCCNAの最重要コマンドなので,コマンド実行結果の見方をしっかり把握しておこう。

図1●「show ip route」コマンドでルーティング・テーブルを確認する<br>ルーターの特権モードで「show ip route」を実行すると,ルーティング・テーブルを表示する。
図1●「show ip route」コマンドでルーティング・テーブルを確認する
ルーターの特権モードで「show ip route」を実行すると,ルーティング・テーブルを表示する。
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 show ip routeを実行すると,最初に経路情報を入手するための手段を表す記号(C,S,Rなど)の一覧表が表示される。その後にはデフォルト・ルート,さらにルーティング・テーブルの経路情報(エントリ)が列挙される。各エントリは,「192.168.1.0/24」のように,特定の範囲のIPアドレスを割り当てたネットワークへの経路を表している。

テーブルの見方を覚えよう

 ルーターは受信したパケットのあて先IPアドレスを見て,転送先のネットワークを決める。パケットのあて先IPアドレスとルーティング・テーブルのエントリを比較し,プレフィックスまでのビットが一致するか調べるのだ。そして一致したエントリの中で,最もプレフィックス長が長いネットワークを選び,そのネットワークにつながった中継ルーター(ネクスト・ホップと呼ぶ)にパケットを送る。

 この「最も長いプレフィックス長を選択する」という原則は,「最長一致(ロンゲスト・マッチ)」と呼ばれる。

 この問題の場合は,パケットのあて先であるパソコンBのIPアドレス「172.16.1.130」を基に考えればよい。エントリの中で一致する部分があるのは「172.16.0.0/16」,「172.16.1.0/24」,「172.16.1.128/26」である。プレフィックス長が最も長いのは「172.16.1.128/26」なので,問題の正解は選択肢cとなる。

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ルーティング編 第1回 ルーティングとは