「狙うはiPadとiPhoneのスキ間需要」――。国内外の大手パソコンメーカーが、相次いでタブレット型パソコンを投入する。iPadが登場し、多くの企業がタブレット型パソコンに注目。今後はiPad対抗製品が増えることで、ユーザー企業は業務特性に応じた端末を選びやすくなる。
米デルは6月に「Streak」を英国で、米国でも今秋までに発売する。日本での発売時期は検討中だ。NECは今年10月にも「LifeTouch」を出荷する。台湾のアスーステック・コンピュータは5月末に、Windows搭載機「Eee Pad」を発表。国内での出荷は来年初めになる見込みだ。
各社が意識するのは、iPadなど米アップル製品との差異化だ(図)。デルが注目したのは、きょう体の大きさと形状である。
Streakの画面サイズは5インチ。大きさはビジネス手帳ほどで、スーツの内ポケットにも収まる。iPhoneの画面サイズは3.5インチ、iPadは9.7インチで、その中間のサイズである。
「Streakの想定用途は、映画などの動画視聴やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用、そしてクルマや歩行者のナビゲーションの三つ。これらを使うのに最適な製品にした」。米デルの製品担当のマット・パレッタ氏は自信を見せる。「我々が想定している用途にiPhoneは小さすぎるし、iPadは重すぎる。両者の間にある“スイートスポット”を狙った」(同)。
NECはビジネスモデルに工夫を凝らす。「ネットビジネスを得意とするパートナー企業と提携して、各社のサービス専用端末として売り込む」(西大和男パーソナルソリューション事業開発本部長)。出版やネットショップ、家庭向けライフケアといった事業者との協業を想定している。
OSにはオープンソースの「Android」を採用した。「Androidにはソフトやハードの技術者が豊富で、多様なサービスを生み出しやすい。iPadに対抗できるビジネスモデルを作れるOSは、オープンなAndroidだけだろう」(西大本部長)。