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 2010年5月1日から始まった上海万博の入り口ゲートに気になる表示を発見。実は上海万博は日本のおサイフケータイのように携帯電話で入場できる。しかも中国は、ICカード搭載の携帯を新たに作らなかった。なんと入れ替え可能なSIMカードにICカード機能を内蔵したのだ。

 「手机銭包」と名付けられたこのICカード機能付きSIMカードの入場券は、中国の最大手通信事業者「中国移動」が2009年11月から販売している。通常のSIMカードと同じサイズで、価格は通常の入場券と同じく160人民元(日本円で2100円程度)だ(詳細はこちら)。

 このICカード機能付きSIMカードは、2.4GHz帯を使うRFIDの仕組みを内蔵している。日本のFeliCaとは互換性はないが、利用形態はよく似ている。万博のチケットのほか、コンビニやスーパーでの買い物、一部の公共交通機関など利用可能な場所が広がりつつある。

 おサイフケータイと比べたICカード機能付きSIMカードの利点は、端末内への機能の作り込みが不要な点だ。既存の端末もSIMカードを入れ替えれば対応端末に早変わりする。そのため既に非常に多くの端末がICカード機能付きSIMカードに対応している。なんとiPhoneにも対応しているようだ(対応端末のページ)。

 では、この仕組みがどれぐらい使われているのかというと、まだあまり普及していないようだ。万博のゲート前で記者が10分ほど観察した結果ではあるが、これを利用している来場者は皆無だった。とはいえ5億加入以上のユーザーを抱える中国移動の規模と、既存端末でも使える敷居の低さを考えれば、日本のおサイフケータイ以上に爆発的に広がってもおかしくはない。また一つ中国から気になるサービスが出てきた。