今年の2月から正式サービスを開始したマイクロソフトのクラウドサービス「Windows Azure」。このWindows Azureは、必要なときにデータセンター側で随時アップデートが実施するなどの機能強化をしています。その回数は通常のパッケージ製品と比べると、かなり頻繁で多岐に渡り、ユーザーが全容を把握するのはなかなか困難です。

 そこでITproでは、日本のマイクロソフトでWindows Azureを担当するエバンジェリストチームと協力。Windows Azureのアップデート情報を不定期にお届けしていきます。

 初回となる今回は、米国時間6月7日(日本時間では6月8日)にルイジアナ州ニューオリンズで開催された開発者向けイベント「Microsoft Tech・Ed North America 2010」の初日のキーノートで発表された内容を紹介します。ここではゲストOSや開発環境の最新版と、コンテンツ配信ネットワークの開始が発表されました。

Windows Azure Guest OS 1.3がリリース

 .NET Framework 4に正式対応した「Windows Azure Guest OS 1.3」がリリースされました。Windows Azure Guest OSとは、Azureアプリケーションを実行するためのゲストOSです。これまで提供されてきた1.0、1.1、1.2に続き、最新版の1.3が公開されました。

 利用するWindows Azure Guest OSのバージョンは、Windows Azure Platformの管理ポータルから設定できます。OSのアップグレード方法として「自動」を設定した場合は自動的に最新版にアップデートされ、「手動」を設定した場合は利用するGuest OSバージョンを設定します。

●関連情報
Windows Azure Guest OS 1.3情報
Windows Azure Guest OSと対応SDKの情報
Azure Guest OS 1.3の公開に関するWindows Azure TeamのBlog

Windows Azure Tools for Visual Studio 1.2を提供開始

 Windows Azure Guest OS 1.3に合わせて、ソフトウエア開発者キット(SDK)とVisual Studioツールが含まれた「Windows Azure Tools」も1.2にアップデートされました。この最新版では、Visual Studio 2010製品版(RTM)のフルサポートや.NET4への対応(.NET3.5と.NET4を選択可能)を実現しました。

 また、サーバーエクスプローラーでのクラウドストレージ表示、Visual Studioから直接デプロイ、IntelliTraceによるクラウド上でのデバッグなど、開発・デプロイ手順の改善により、開発効率が向上しています。

●関連情報
Windows Azure Tools for Visual Studio 1.2(June 2010)のダウンロード先

Windows Azure CDN、7月から正式サービス開始

 Windows Azureコンテンツ配信ネットワーク(CDN)はデータのコピーを複数地点に分散配置して、ユーザーのパフォーマンスと信頼性を向上させるサービスです。このWindows Azure CDNが米国で7月から正式にサービスを開始することが発表されました。

 それに伴い、Windows Azureの価格表の中にCDNについても料金が掲載されています。それによると、北米およびヨーロッパ内ではGバイト当たり0.15ドル、その他の地域との間ではGバイト当たり0.15ドル0.20ドル、1万トランザクション当たり0.01ドルとなっています。

●関連情報
Windows Azure価格表(米国)