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米国政府機関に学ぶIT部門改革

日経コンピュータ

みんなで祝う、それが次の「チェンジ」を呼ぶ

2010/07/01
大和田 尚孝=日経コンピュータ
出典:日経コンピュータ 2010年4月14日号 pp.42-49の記事を基に再構成  
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
写真1●米国防総省で副CIOを務めるデイビッド・ウェンナーグレン氏
写真1●米国防総省で副CIOを務めるデイビッド・ウェンナーグレン氏

 システム部門改革を実行に移して意図した変化を達成できたとき、真っ先にするべきことは何だろうか。「みんなでお祝いをすることだ」と、連載第1回にも登場した米国防総省の副CIO、デイビッド・ウェンナーグレン氏は断言する(写真1)。実は、これこそが組織改革の勘所の四つめであり、「中長期的な視点でIT戦略を考えたい」という多くのシステム部門に共通の悩みの解消に効く(連載第1回の図1を参照)。

 なぜなら、祝うことがさらなる「チェンジ(変革)」を促す気持ちのエンジンとなり得るし、そもそもフェアに祝うためには改革の進ちょくを計る“ものさし”を事前に決めておく必要があるからだ。その結果、自然と中長期的な視点でIT戦略を考える癖(くせ)が身に付いていく。


【勘所4】達成を祝う

 「誰にとっても、変化するのは大変なことだ。大変なことをやり遂げたら、それを祝うことが大切だ。それが次の変化につながっていく」と国防総省のウェンナーグレン氏は強調する。

 達成を祝う前提として、取り組みの成果が測れるようにする。言い換えると、「成果が目で見て分かるようにする」(ウェンナーグレン氏)。投資効果、業務効率など、改革の達成度合いや進ちょくを知るための指標を設け、それを定期的に測定するわけだ。「可視化できれば、正しい成果が出るように進めやすくなる」(同)

褒賞はパートナー企業のインセンティブにもなる

 「期待以上の成果が出たら褒賞を出すのも有効だ」とウェンナーグレン氏は述べる。しかも、自分で統率するシステム部員に対してだけでなく、外部のパートナー企業に対してもこの施策が効くという。例えば、IT企業に委託したシステム開発が予定より早く完成したら割り増しで特急料金を支払う、といったことだ。そうするとIT企業のやる気が増す。

 国防総省では、褒賞を出した実例があるという。ウェンナーグレン氏が海軍のCIOを務めていたときのことだ。ITインフラを構築するとき、IT企業からハードやソフトを購入するのでなく、ITインフラをサービスとして提供してもらう契約に変えた。同時に、サービスレベルが期待を上回ったときにはインセンティブを与えるようにした。その結果、期待を超えた成果が出たという。「頑張るほど報われるというモチベーションを働かせることで、変化を推進した」(同)

 「可視化した情報には透明性を持たせる。つまり誰でも見られるように留意している」。ウェンナーグレン氏は、こうも話す。システム部門は組織改革を推進するにあたって、その目的や現状の課題、実現手段、実現プロセス、進ちょく、期待する効果、得られた実績など、あらゆる事柄を単に可視化するだけでなく、組織のトップや利用部門、必要によっては組織の外にも公開する責任がある。

 それが、自らの仕事ぶりと存在意義を示すことになり、トップや外部から「システム部門はチェンジに成功した、成果を出して経営に貢献した」との評価と信頼を得ることにもつながる。

>>【インタビュー】信じて急ぐのが成功への道
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