人気Webサービスを徹底解剖

 「なう」「キター」「ググる」---。冒頭から意味不明の言葉が並んでいると思われた方がいるかもしれない。これらはいずれも人気Webサービスでよく使われる、あるいはそのサービス名を基に作られた言葉である。人気になったのは従来になかったサービスを提供したからだ。では、それはどうやって実現できたのか。この特集ではこれらの言葉を生み出したWebサービスの仕組みや技術、さらには業務システムとの連携などを解説する。


 本題に入る前に、冒頭の言葉を基にして人気Web サービスの概要や雰囲気をつかんでおこう。

 「なう」は米ツイッターが提供するWebサービス「Twitter(ツイッター)」のユーザーがよく使う言葉だ。Twitterは140文字以内の文章を投稿して掲示するのに特化したWebサービスで、ミニブログと紹介されることが多い。

 「なう」は、「今ここにいる」「今何をしている」を短く表現するために自然発生的に使われ始めた言葉で、場所などの後に付けて使う。例えば「品川駅なう」といった投稿は品川駅にいることを表す。現在、Twitterのユーザーは全世界で数千万人。これだけの数のユーザーが使う人気サービスは、システムに対する負荷も高そうだ。それを支えるバックボーン側のシステムは、一体どのようになっているのだろうか。

 「キター」はドワンゴ傘下のニワンゴが提供する動画共有サイト「ニコニコ動画」で見かける言葉だ。ニコニコ動画は、ユーザーが動画を見ながらそれに関するコメントを入力。そのコメントを動画にかぶせてテロップのように表示する。動画視聴中に期待していたシーンが出ると、「キター」と入力するケースが多い。このニコニコ動画の1日平均訪問者数は200万を優に上回る。人気動画には数万ものアクセスが集中するという。一体どのような仕組みで大量のトラフィックを処理し、動画を配信しているのだろうか。

 最後の「ググる」はもはや説明不要だろう。米グーグルの検索サービスで検索することを表す造語である。コンシューマーに対する検索サービスの提供から事業を始めたグーグルだが、いまや同社のサービスはその守備範囲を大きく広げ、対象ユーザーもコンシューマーだけにとどまらない。

 特にメールやオフィスソフトなどで構成する「Google Apps(グーグルアップス)」は、企業ユーザーも対象にしている。それに伴ってGoogle Appsと業務システムを連携させる機能を提供するソリューションベンダーなども登場している。業務システムと連携する際は、セキュリティや企業側の認証システムが重要となる。どのような仕組みでGoogle Appsと業務システムを連携させるのだろうか。

 この特集を読めば、「ググっても」容易には得られない人気Webサービスの詳細を、きっと「キター」と感じてもらえるはずだ。それではリンクをクリックする「なう」。

(大谷 晃司=日経NETWORK

目次