ネットワーク上のリソースを操作する

 netコマンドの代表的なサブコマンドとして次に試してみるのは,「share」サブコマンドだ。shareサブコマンドを利用すると,ネットワーク上のユーザーがリソースを共有できるようになる。

 ここでは,自分のパソコンのCドライブにあるTempフォルダを共有フォルダとしてネットワーク上のユーザーに公開してみよう。shareサブコマンドのヘルプ情報を確認したうえで,共有名を「testshare」として次のように打ち込む。

 C:\>net share /?
 C:\>net share testshare=c:\Temp

 実行して,「testshareが共有されました。」というメッセージが表示されたら作業は完了だ(図4)。これで他のコンピュータからこの共有フォルダを利用できるようになる。共有を設定したフォルダは,次回の起動時以降も共有状態となる。

図4●net shareコマンドの基本的な使い方<br>「share」サブコマンドは,ネットワーク上の共有リソースを表示したり設定したりするときに使う。
図4●net shareコマンドの基本的な使い方
「share」サブコマンドは,ネットワーク上の共有リソースを表示したり設定したりするときに使う。
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 このほかshareサブコマンドは,どのような共有フォルダがあるのかを調べたい場合にも使える。以下のように打ち込む。

 C:\>net share

 実行すると,共有フォルダの情報を一覧で表示する(図5)。最後の行に,先ほど作成した共有フォルダのtestshareを見つけることができる。

図5●net shareコマンドで共有フォルダの情報を一覧表示する
図5●net shareコマンドで共有フォルダの情報を一覧表示する
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 ネットワーク上の共有フォルダにアクセスする場合,手順は一般的に次のようになる。まず,デスクトップ画面のアイコン「マイネットワーク」をダブルクリックする。開いたウインドウから目的のサーバー・アイコンをまたダブルクリック。「共有フォルダ一覧」を表示して,そこからアクセスしたいフォルダを選ぶといった流れだ。共有フォルダにアクセスするたびに,この作業を繰り返すのは面倒である

 こうしたときには,「use」サブコマンドを使って適当なドライブ名を共有フォルダに割り当てておくとよい。例えば,「PRV-ENDO01N」というコンピュータにある共有フォルダ「othershare」を空いているドライブに自動的に割り当てる場合には以下のように打ち込む。

 C:\>net use * \\PRV-ENDO01N\othershare password /USER:PRV-ENDO01N\k.endo

 ここでは「USER」オプションを使ってアクセスする権限があるユーザーを「k.endo」に指定し,パスワードは「password」とした。実行すると,空いていたZドライブに共有フォルダが自動的に割り当てられたことがわかる(図6)。確認したいときは「net use」を実行すればよい(図6の中央)。

図6●net useコマンドの基本的な使い方<br>「use」サブコマンドは,ネットワーク上の共有リソースへ簡単にアクセスするための設定に使う。
図6●net useコマンドの基本的な使い方
「use」サブコマンドは,ネットワーク上の共有リソースへ簡単にアクセスするための設定に使う。
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 実際にアクセスできるかどうかは,例えばdirコマンドを実行してみるとよい。Zドライブの内容が表示されたら,アクセスは成功だ(同下)。

 このほか,ネットワーク内のコンピュータ上で共有されているリソースを調べたい場合には「view」サブコマンドを使う。以下のように打ち込む。

 C:\>net view

 実行すると,コンピュータの一覧が表示される。ここでリストアップされたコンピュータ「PRV-ENDO01N」の共有フォルダの一覧を調べたいときには,以下のように打ち込む。

 C:\>net view \\PRV-ENDO01N

 実行すると,先ほどZドライブに割り当てた共有フォルダのothershareが公開されていることがわかる(図7)。

図7●net viewコマンドの基本的な使い方<br>「view」サブコマンドはネットワークにつながったWindowsマシンを一覧表示するときなどに使う。
図7●net viewコマンドの基本的な使い方
「view」サブコマンドはネットワークにつながったWindowsマシンを一覧表示するときなどに使う。
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