今回取り上げるipconfig(アイピーコンフィグ)コマンドは、自分のパソコンのネットワーク設定を確認したり再設定したりするときに使うコマンドである。「ネットワークに突然接続できなくなった」などのトラブルに見舞われたとき、その原因を探す第一歩が自分のパソコンの設定を確認すること。ipconfigコマンドを使うと、現在のネットワーク設定をパソコンの画面に表示してくれる。
また、自分のパソコンがDHCPサーバーから自動的にIPアドレスを割り振られる設定になっている場合、どのDHCPサーバーからIPアドレスを取得しているかをipconfigコマンドを使って調べることができる。本来のものとは違うDHCPサーバーから設定情報をもらっていたとしたら、正しく再設定することも可能だ。
このようにipconfigコマンドを使うことで、基本的なネットワーク設定をひと目で確認でき、初歩的な設定ミスなどは自分でチェックできる。わざわざネットワーク管理者の助けを借りなくても、自分自身でトラブルを解決できるかもしれない。
現在のネットワーク設定を表示する
ipconfigコマンドの使い方は至って簡単である。いつものようにWindowsマシンのコマンドプロンプトを起動すれば準備は完了。そこで以下のように「ipconfig」と打ち込み、「Enter(エンター)」キーを押す。
C:\>ipconfig
実行すると、自分のパソコンに割り当てられているIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウエイの設定情報が表示される(図1)。
より詳細な設定情報を調べたい場合や、IPアドレスを再設定したいときは、表1に示したオプションパラメーターを使う。例えば、パソコンのネットワーク設定情報すべてを調べるときには「/all」オプションを使う。以下のように打ち込む。
C:\>ipconfig /all

実行すると、IPアドレスなどの情報に加えて、ネットワークカードのMAC( マック)アドレス、DNSサーバーやDHCPサーバーの情報も表示される(図2)。
表示からトラブル原因を特定
ipconfig /allコマンドの実行結果からはいろいろなことがわかる。ここでは表示の読み解き方をいくつか紹介しよう。
自分のパソコンにIPアドレスなどを手作業で設定している場合は、画面表示と本来の設定値が一致しているかどうか確認してみるとよい。もし間違っている場合は、コントロールパネルからネットワーク接続の設定を変更する必要がある。
一方、DHCPサーバーが自動的に設定情報を割り当てる設定になっているとき、これが原因でトラブルが起こることがある。典型的なケースは、社内ネットワークに誰かが間違って本来のDHCPサーバーとは別のDHCPサーバーを設置してしまうこと。DHCP機能が有効になったままのサーバーやブロードバンドルーター、無線LANアクセスポイントなどを不用意に接続すると、パソコンはこれらの予期しないDHCPサーバーから設定情報を取得してしまうことがある。DHCPスコープが同じものになっていたりすると、IPアドレスの重複割り当てが発生する。
このようなときはipconfig /allコマンドの実行結果で「DHCP Servers」の項目を確認してみよう。ここで表示されたIPアドレスが本来のDHCPサーバー以外のものなら、そのIPアドレスを持つ装置がトラブルの原因と特定できる。
トライポッドワークス 技術本部プロジェクトマネジャー