キャッシュの内容を強制的に削除

 arpコマンドを使うと、ARPキャッシュの内容をいつでも強制的に削除することができる。このときは「-d」オプションを組み合わせて以下のように打ち込む。

 C:\>arp -d

 実行して正常終了すれば成功だ。ここで確認のためにarp -aコマンドを実行してARPキャッシュを表示させてみると、デフォルトゲートウエイを除くすべてのエントリーが削除されていることがわかる(図3)。なお図3のように単にarp -dコマンドを実行するとすべてのエントリーが削除されるが、-dに続いてIPアドレスを指定すると、そのIPアドレスのエントリーのみを削除する。

図3●ARPキャッシュの内容をクリアする<br>「-d」オプションを使うと、ARPキャッシュのエントリーを削除できる。IPアドレスを指定すると、そのエントリーだけを削除する。
図3●ARPキャッシュの内容をクリアする
「-d」オプションを使うと、ARPキャッシュのエントリーを削除できる。IPアドレスを指定すると、そのエントリーだけを削除する。
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 ARPキャッシュのエントリーは前述したように一定時間たつと自動的に消去され、常に最新のIPアドレスとMACアドレスの対応付けを保持するようになっている。ところが、何らかの原因でキャッシュの内容が古くなり、既に存在しないMACアドレスが残っていることがある。

 サーバーやプリンターなどの機器が故障した場合、機器は新しいものに交換しても、同じIPアドレスを使い続けることがある。このケースで、ARPキャッシュに交換前の古いMACアドレスが残っていると、通信に失敗してしまう。こんなときarp -dコマンドを実行して古くなったエントリーを削除すると、ARPキャッシュの内容が更新され、うまく通信できるようになる。

 通信がうまくいかない場合は、まず物理的な原因(ケーブルが接続されていないなど)によるものかどうかを確認したうえで、arpコマンドを実行し、ARPキャッシュの内容を確認するとよい。