ニフティクラウド検証の第4回は、仮想ストレージの処理性能を検証。標準付属、100Gバイト当たり月額4200円の下位メニュー、同1万500円の上位メニューの3種類で調べたところ、価格帯と実効性能が一致しない意外な結果となった。
ニフティクラウドの仮想マシンには、CentOSとRed Hat Enterprise Linuxに30Gバイト、Windows Server 2008に40Gバイトの仮想ストレージが付属する。増設用の仮想ストレージは、1仮想マシン当たり4台まで設置できる。1台当たりの容量は「Disk100」で最大1Tバイト、「Disk40」で最大2Tバイトだ。Disk100がデータベースなどで使う汎用ストレージ、Disk40がバックアップなどで使うアーカイブ向けストレージという位置付けである(表1)。
名称 | 用途 | 料金 |
---|---|---|
Disk40 | アーカイブ向け | 月額4200円(100Gバイト当たり) |
Disk100 | 常時利用向け | 月額1万500円(100Gバイト当たり) |
仮想ストレージのテストでは、ファイルサーバーなどへの読み書きを仮想クライアントで再現する「DBENCH」を利用。1から64まで仮想クライアントの数を増やす内容のテストを実施した。
高スペックの仮想マシンを生かせない標準仮想ストレージ
まずは標準仮想ストレージについてテストを実施した。結果は、仮想マシンの上位スペックでスループットが低下する傾向が見られた(図1)。
miniからmedium4までの測定値は、仮想クライアント数にかかわらずminiが200Mバイト/秒前後、small群が600Mバイト/秒前後で安定している。これに対しmedium8以上では、最高で1Gバイト/秒前後は出るものの、仮想クライアントの数が増えるにつれスループットが低下し、400Mバイト/秒にまで落ち込むケースがある。高スペックの仮想マシンを使う場合、標準仮想ストレージがボトルネックになる可能性がある。
安定したスループットを見せたアーカイブ向け仮想ストレージ
続いてアーカイブ向けのDisk40の測定結果を見てみよう。最大で1400Mバイト/秒に迫るうえに、高負荷時の値も安定している(図2)。
miniとsmallの値は標準の仮想ストレージと同程度だが、medium群で200Mバイト/秒、large群で400Mバイト/秒ほど高速だ。仮想CPUの数に応じたスループットが出ており、100Gバイト当たり月額4200円のアーカイブ向けオプションとしては割安感がある。