今回はWindowsネットワークで使われる「名前解決」について取り上げよう。名前解決は、前回の記事で紹介した「ブラウジング」、次回の記事で取り上げる「ファイル共有」と並んで、Windowsネットワークを構成する三大機能の一つである。
コンピュータ名とIPアドレスを結びつける
Windowsネットワークでは、ブラウジングで画面に一覧表示したコンピュータのアイコンの中から自分の使いたいものをクリックすれば、そのコンピュータに簡単にアクセスできる。このときに、そのGUI画面の背後では、もちろん相手のコンピュータとの間でネットワークを使った通信を実行している。
現在のWindowsネットワークは、下位のプロトコルとしてTCP/IPを使って通信する。このため、実際に通信するときには、通信相手のIPアドレスが必要となる。ところが、ブラウジングの画面で表示しているものはコンピュータ名(NetBIOS名)と呼ばれる、Windowsネットワーク上でコンピュータを区別するための名前情報である。IPアドレスの情報は、この画面では管理していない。
つまり、画面上のアイコンをクリックした際には、そのアイコンのコンピュータ名から該当するコンピュータのIPアドレスを調べなければならない。この作業が今回取り上げる名前解決である(図1)。ユーザーからは見えないバックグラウンドで自動的に実行される作業のため、日常の利用で意識することはまずないが、Windowsネットワークを利用する上で必要不可欠となる重要な機能だ。
Windowsには二つのコンピュータ名がある
まずは、名前解決の要素となるコンピュータ名について確認してみよう。
Windowsネットワークに参加するコンピュータには、必ず「コンピュータ名」という名前が付けられている。コンピュータ名は、Windowsネットワーク上でコンピュータを識別するために使う情報である。そのため、他のコンピュータと重複していてはいけない重要な存在となる。
パソコンに、どのようなコンピュータ名が付いているかは、Windows 7ではコントロール・パネルの「システムとセキュリティ」から「システム」を開けば確認できる(図2)。この中の「コンピュータ名、ドメインおよびワークグループの設定」の項目に、コンピュータ名とフルコンピュータ名が表示されている。