出欠席を通知するための返信はがきには、記入の仕方にマナーがあります。

 まずは記入前の表書き、裏書きを確認して下さい(図1)。

図1●一般的な返信はがき(記入前)
図1●一般的な返信はがき(記入前)

 通常、返信はがきには表書きの宛名に発送元の住所氏名が印刷されています。自社宛ての宛名に、尊敬表現の「様」や「御中」をつけるわけにはいかないので、通常は「行」「宛」が使われます。そして裏には出欠席を丸で囲んでもらうスペースと、氏名住所を書くスペースがあります。

 返信する場合は表書きの「行」や「宛」を2重線で消し、宛名部分が組織名なら「御中」、個人名なら「様」と書きます。

 裏書きは、出欠のいずれかを丸で囲み、もう一方を2重線で消します。出席する場合には、出席に丸をつけ、欠席は2重線で消します。この際、「ご出席」の「ご」は返信する自分自身に向けられた尊敬表現なので2重線を引き、「出席」のみを丸で囲みます。氏名、住所を記入する際も、「ご芳名」の「ご芳」、「ご住所」の「ご」は2重線で消します。

 より丁寧な書き方にしたい場合は、出席なら「出席」の文字の後に「させていただきます」と書き足し、欠席の場合は「欠席」の文字の前に「残念ながら」、文字の後に「させていただきます」と書き足します。

 最後に、一言、相手に配慮を示すメッセージを書き添えます(図2)。

図2●返信はがきの記入例
図2●返信はがきの記入例

 ちなみに欠席する場合のメッセージとして、「多忙につき、欠席いたします」は事実であったとしても書かないのがマナーです。招待された会合よりも優先順位の高い予定があるという意味なので、会合や先方の企業をないがしろにしているように見えるからです。欠席の理由ではなく、お祝いの言葉をメッセージにするとよいでしょう。


森 美緒(もり みお)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント,産業カウンセラー
1999年,教育出版社に就職し,営業および営業担当者向け研修を担当。商社での秘書業務を経て,2005年にグローバル ナレッジ ネットワークに入社。2006年より現職。ビジネスマナー,プレゼンテーション,コミュニケーションなどのヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。