Windows 7には、1台のパソコンを複数のユーザーで使う「マルチユーザー」機能が用意されている。「ユーザーアカウント」を追加すれば、マルチユーザー機能は簡単に実現できる。

 だが、ユーザーアカウントを追加しただけで、高度なユーザー管理はできない。もう一つ重要なキーワードとなるのが「ユーザープロファイル」だ。あるユーザーアカウントの設定を新しいユーザーに適用したいときなどに、この「ユーザープロファイル」が重要な意味を持つ。今回から2回に渡って、Windows 7でユーザーを管理する方法を解説していこう。

アカウントでユーザーを区別する

 1台のWindows 7パソコンを複数のユーザーで利用したいときは、それぞれユーザーごとに「ユーザーアカウント」を用意する。ユーザーアカウントとは、Windows 7がユーザーを区別するために使う情報のことだ。各ユーザーアカウントごとに、デスクトップ画面やユーザーフォルダといったユーザー固有の環境を用意し、その時点に利用しているユーザーに合わせて切り替える。これにより、各ユーザーは常に自分自身のオリジナル環境にカスタマイズした状態のままで、1台のWindows 7パソコンを操作できる。各ユーザーが受信したメールやブラウザの履歴などもまったく別個に管理し、別のユーザーからは参照できないようにするなど、ユーザーごとのプライバシーも守っている。

 ユーザーアカウントには、大きく分けて「管理者」と「標準ユーザー」の2種類がある。「管理者」では全ての操作が可能なのに対して、「標準ユーザー」はハードウエアの設定やアプリケーションのインストールなどの作業に制限がある。セキュリティの観点から言えば、「管理者」のアカウントはできるだけ少ない方が安心だ。

 Windows 7パソコンをどのユーザーが利用するかは、「ログオン」時に決める。複数のユーザーアカウントを登録しておくと、ログオン画面に登録されているユーザー名とアイコンが並ぶ(図1)。その中から自分のアイコンを選択してパスワードを入力すれば、前回まで使っていた状態で自分の環境を呼び出せる。もちろん、パスワードを設定しておけば、パスワードが一致しない限りログオンできないので、ほかの人に使われることもない。このログオン画面は、Windows 7の起動時に表示されるだけでなく、Windows 7を利用している最中に別のユーザーに切り替えるために表示させることが可能だ。

図1●Windows 7ではユーザーごとに環境を切り替えられる<br>ユーザーアカウントを追加することで、「デスクトップ画面」「ユーザーフォルダ」「お気に入り」など固有の環境を、ユーザーごとに切り替えられる。
図1●Windows 7ではユーザーごとに環境を切り替えられる
ユーザーアカウントを追加することで、「デスクトップ画面」「ユーザーフォルダ」「お気に入り」など固有の環境を、ユーザーごとに切り替えられる。
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