■「クリップNOTE」は、クリップボードの履歴を蓄積して内容を利用できるほか文書の整形などに利用できる機能があるツールである。ネットワーク内で複数のコンピュータでの共有も可能。
■数多くの文書やスクリプトなどを効率よく作成する際に役立つ。蓄積されていくクリップボードの履歴を使用できるほか、特定の文字列などを定型文として保存、あるいは文書の整形なども可能である。
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コンピュータの「クリップボード」は、異なるアプリケーションの間でデータを受け渡しするために、データを一時的に保存するメモリー上の領域である。ほとんどのユーザーは、データをあるアプリケーションからコピーして別のアプリケーションに貼り付ける、といった操作(つまりクリップボード機能)を半ば無意識に、だが頻繁に使用しているだろう。
クリップボードに保存できる情報を拡張する
だが、独自の保存領域を用意する一部の例外的なアプリケーション(Microsoft Officeなど)を除き、このクリップボードに蓄積できるデータは通常は1つだけに限られている。そのため、複数のデータを複数のアプリケーションの間で受け渡しするには、コピーして貼り付ける操作を、コピー元とコピー先のアプリケーションを切り替えながら一つひとつ実行しなければならない。
こうした「不便さ」を補完するために、数多くの「クリップボード機能拡張」ツールが公開されている。今回紹介する「クリップNOTE」もこのようなクリップボード機能拡張ツールである。多機能でありながら使いやすく、ユーザーの利便性を飛躍的に向上させるツールとして、お薦めしたいフリーソフトである。
クリップNOTEのダウンロード・ファイルには、インストーラなし圧縮ファイルとフルパッケージ版の2種類がある。
インストーラなし版の場合は、ダウンロード・ファイルを解凍して生成されるいくつかのファイルを適当なフォルダにコピーし、実行ファイルをダブルクリックすればすぐに使用できる。ただし、デフォルトではインストーラなし版はクリップNOTEをはじめて起動させた際にタスクトレイの通知領域に常駐するようになっている。Windowsの起動時点ではタスクトレイの通知領域に常駐するようになっていない。起動時に自動的に常駐させたければ、クリップNOTEのショートカット・アイコンをユーザー自身でプログラムの「スタートアップ」グループに登録する必要がある。もう一つのフルパッケージ版は、インストール・プロセスの中で「スタートアップ」グループに登録されるようになっている。
2種類のどちらのダウンロード・ファイルを使用してもよいが、こうしたデフォルト設定の違いに留意して利用されたい。なお、タスクトレイの通知領域に常駐しているクリップNOTEを、タスクトレイから出して使用することも可能である(ただし、クリップNOTEの起動時には必ずタスクトレイの通知領域に常駐するので、その都度設定でタスクトレイから出す必要がある)。