今回は、助詞「の」の使い方について、学習しましょう。まずは、次の文章を読んでみてください。

どこが問題?

A社の前年度の売り上げの大半は既存客に占められている。
本イベントのプログラムの内容の詳細をお知らせいただけますでしょうか。
各社の代表者の主張の中には、賛同を得られないものもあった。

ここが問題! 一文に「の」が連続して3回以上使われている

 同じ文章の中に「~の~の~の」と「の」が連続して3回以上続くと、文が間延びした感じになり、稚拙な印象を与えてしまいます。これは口語的な表現に近いためだと考えられます。

これで解決! 他の言葉に置き換える、または「の」を省略する

 「の」の連続使用は2回までとし、3回以上連続させないためには、以下のように、他の言葉で置き換える、または省略する方法があります。

・場所に関すること:「~の」を「~にある」「~にいる」に置き換える。
例:「会議室の机の上の…」→「会議室にある机の上の…」

・時に関すること:「~の」を「~における」に置き換える。
例:「入社時の注意点の話の内容…」→「入社時における注意点の内容…」

・対象に関すること:「~の」を「~に関する」に置き換える。
例:「今期売り上げの報告の概要の…」→「今期売り上げに関する報告の概要の…」

・所有物に関すること:「~の」を「~が持っている」「~が所有する」に置き換える。
例:「部長のパソコンのデスクトップ上のフォルダーに…」→「部長が持っているパソコンのデスクトップ上のフィルダーに…」

・「の」を省略する。
例:「今回の企画の成立の条件の一つは…」→「今回の企画成立条件の一つは…」

改善後

A社の前年度売り上げの大半は、既存客に占められている。(「の」の省略)
A社の前年度における売り上げの大半は、既存客に占められている。(「の」→「における」)
本イベントのプログラム内容の詳細をお知らせいただけますでしょうか。(「の」の省略)
本イベントのプログラムの内容に関する詳細をお知らせいただけますでしょうか。(「の」→「に関する」)
各社の代表者による主張の中には、賛同を得られないものもあった。(「の」→「による」)
各社代表者の主張の中には、賛同を得られないものもあった。(「の」の省略)

 「の」が3つ以上連続した場合には、まずは省略できるものがないか、考えてみるとよいでしょう。省略することが難しい場合は、上記のような違う言葉に置き換えるようにします。

■変更履歴
「の」を省略した結果の例として挙げていた「今回の企画成立の条件の一つは…」を「今回の企画成立条件の一つは…」に修正しました。 [2010/05/13 13:30]