前回は序章ということで、JavaFXの概略について紹介しました。

 今月から、実際にJavaFX Scriptの具体的な説明を行っていきます。今回は環境構築と簡単なサンプル、そして前回触れられなかった機能について言及します。

開発環境の準備

 JavaFXのアプリケーション開発を行うには、次の2種類の方法があります。

  • JavaFX SDK
  • IDEとJavaFXプラグイン

 JavaFXプラグインが提供されているIDEには、NetBeansとEclipseがあります。ただし、NetBeansのJavaFXプラグインの方が優先的に開発されており、最新のバージョンに対応するのもNetBeansの方が早いです。

 そこで、本連載ではNetBeansにJavaFXプラグインをインストールして、JavaFXのアプリケーション開発を行うことにします。

 前回、JavaFX 1.3が開発中と書きましたが、2010年4月23日に正式にJavaFX 1.3がリリースされました。これに合わせ、NetBeansのJavaFXプラグインも更新されています。ただし、JavaFX 1.3用のプラグインが対応しているのは、NetBeans 6.9 betaだけです。

 そこで、本連載では、以下のバージョンのものを使用します。

  • JavaFX 1.3
  • NetBeans 6.9 beta
  • JDK 6u20

 今後、連載中にバージョンが変化した場合、常に最新のバージョンを使用することにします。特にNetBeansはベータ版を使用しているので、正式版がリリースされ次第、正式版に移行する予定です。

 また、OSにはWindows 7を使用します。

 なお、Windows向けのJavaFXは32bit版のみ提供されています。そのため、Windowsが64bit版であっても、JDKは32bit版を使用してください。

JavaFXプラグインのインストール

図1●[プラグイン]メニュー項目
図1●[プラグイン]メニュー項目
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 では、JavaFXプラグインをインストールしていきましょう。ここでは、既にJDKとNetBeansがインストールしてあるとします。

 なお、NetBeansのサイトではNetBeansとJavaFXプラグインをまとめたパッケージも提供しています。このパッケージをインストールしていただいても全く構いません。

 JavaFXプラグインをインストールする手順は、ほかのプラグインをインストールする手順と同一です。

 まず、NetBeansを起動し、メニューバーの[ツール]-[プラグイン]を選択します(図1)。

 すると、図2のようなプラグインダイアログが表示されます。

図2●プラグインダイアログ
図2●プラグインダイアログ
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 プラグインダイアログの上部には、タブが配置されています。新たにプラグインをインストールする場合、[使用可能なプラグイン]タブを選択します(図3)。

 [使用可能なプラグイン]タブでは、左側に使用可能なプラグインが列挙され、右側に選択したプラグインの説明が表示されます。

図3●[使用可能なプラグイン]タブ
図3●[使用可能なプラグイン]タブ
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