開発者の視点からiPhoneとAndroidを比較する連載の第7回。今回は、世界市場での動向をまとめる。Androidは広告インプレッションでは2009年1月の1%から2010年2月の24%へと23ポイントの上昇で、iPhoneの伸びを上回った。2010年1月にはSymbian OSのシェアを超え、これからはまさにiPhoneとの一騎打ちの様相を見せている。

 スマートフォンは世界的に見てもニッチを超え、携帯電話機の主流に躍り出ようとしている。

 例えば米Nielsen社は2011年の第3四半期にはスマートフォンと普通の携帯電話が米国においてほぼ半々になると予測している(図1)。2009年第4四半期のシェアが21%であり、2年弱で30ポイント近くも上がるという大胆な予測だ。

図1●
図1●米国における基本機能携帯電話機とスマートフォンのシェア

 他の実績データを見てもスマートフォンの伸びは明らかだ。パックリムリサーチはスマートフォンのプラットフォームごとの世界出荷台数をまとめている(図2)。それによると2009年のスマートフォン出荷台数は1億5740万台。携帯電話機出荷台数が2008年の12億1900万台から11億3000万台(日経マーケット・アクセス推定)と落ち込む中、順調に台数を増やし、出荷台数の13%程度を占めたと見られる。

図2●
図2●スマートフォンのプラットフォームごとの世界出荷台数

勝ち組はiPhone、Android、BlackBerry

 スマートフォンの中でも勝ち組がだんだんはっきりしてきたのがこの1~2年の傾向だ。図2でトップシェアを続けているのはフィンランドNokia社のSymbian OSだが、2006年度のシェア70.9%から年々シェアが下落し、2009年は43.9%と半数を割り込んだ。Windows Mobileは2008年にシェア15.4%に達したが2009年はシェアも台数も前年を下回った。図2のデータは出荷台数なので累積の台数はまだiPhoneを上回っているが、勢いはない。この二つに代わって伸びているのがBlackBerry、iPhone、Androidである。