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 1890年(明治23年)12月16日、東京と横浜で電話が開通した。日本の電話サービスの幕開けである。当時、横浜電話交換局が置かれた場所には、今も「電話交換創始之地」と書かれた記念碑が置かれている。記念碑の背後には、NTT都市開発が所有するアーバンネット横浜ビルがそびえ立つ(横浜市中区日本大通)。

 一方、東京電話交換局の跡地にも同様の記念碑がある。日本工業倶楽部会館・三菱UFJ信託銀行本店ビル(東京都千代田区丸の内1丁目)の壁面にはめ込まれている。

 1990年にNTTが発行した「電話100年小史」によると、「多難をきわめた電話加入者の獲得であったが、なんとか東京215名、横浜42名の申し込みを得るまでにこぎつけ、当日までの開通東京155名、横浜42名で電話交換を開始した」という。開業当初のユーザーは、わずか200名に満たなかったのだ。当時の使用料は年額で東京が50円、横浜が35円との記述もある。上級公務員の初任給が月50円の時代であったことから、現在の金額では東京で年額20万円程度になるだろうか。かなり高いサービスであったことは間違いなさそうだ。