アクセンチュア 経営コンサルティング本部
財務・経営管理グループ シニア・マネジャー
松井 昌代
米証券取引委員会(SEC)がIFRS導入を2014年から2015年に変更するという声明を出しました。日本にも何か影響があるのでしょうか?
米SECは2010年2月24日に、これまで2014年と想定されていた米国のIFRS(国際会計基準)導入を2015年以降に遅らせるという内容の声明を発表しました。
これは米国がIFRS適用に対して後ろ向きになった、会計基準の国際化の方向性が変わったということでは決してありません。むしろ、IFRSの適用に向けて十分な時間をかけようとするものであり、従来のIFRS導入姿勢に変化はないと考えられます(図)。

では、「IFRS導入に向けた米国の方向性は変わらず、時期が想定より遅くなった」という今回のSECの声明は、日本企業にどのような影響を与えるのでしょうか。影響の有無や大きさは、各企業のIFRS適用方針や現状の開示方法によって異なります。
そこで、
●現状の開示方法- 単一会計基準で開示(日本基準か米国基準のどちらかだけで開示)
- 複数会計基準で開示(日本基準と米国会計基準の双方で開示)
- 任意適用を選択
- 強制適用を選択
という二つの要因を軸に、日本企業を四つのカテゴリーに分けて、影響を見ていくことにしましょう。