ITproのiPhoneアプリとAndroidアプリを開発し、「オール・イン・ワンiPhone開発」と「Androidで広がる、携帯アプリ開発の世界」とを執筆したアシアルが、iPhoneとAndroidの違いを開発者の目線で解説するシリーズの第5回。今回は、マーケットプレイスの違いについてくわしく見ていく。
自作のアプリケーションが完成した際には、アプリケーション・マーケットプレイスに自作のアプリを登録して、たくさんの人に触ってもらいたいと思うのが、やはりデベロッパーの心情というものではないだろうか。どちらのプラットフォームにも、公式アプリマーケットが存在する。しかし、両者を比較してみると、その2つの仕組みはまったく別物だということが分かる。
唯一のiPhoneアプリマーケットApp Store
App StoreはAppleが運営する唯一のiPhoneアプリケーション・マーケットプレイスであり、世界90カ国に対応している。
iPhoneのアプリケーションを入手できる経路は原則としてApp Storeしかない。現在、公式発表によると、App Storeで提供されるアプリケーションの総数は、18万本以上、アプリケーションのダウンロード数はこれまでに40億本以上を優に超える。
2008年にSDKの提供が始まったことを考えると、驚異的な数字だ。App Storeでの購入、ダウンロードやアプリケーションの管理は端末上でも行えるが、多くの場合はiTunesを使って包括的に行う。
Google以外にもあるAndroidのアプリマーケット
Googleが提供するAndroid向けのマーケットプレイス「Android Market」は、Androidアプリのマーケットプレイスとしては現在、一番規模が大きい。
Androidの場合、Android Marketが唯一のマーケットプレイスというわけではなく、他所でアプリの配布・販売を行うことが認められている。そもそも、アプリを配布するのに必ずしもマーケットを経由する必要はなく、ファイルパッケージをWebサイト上に直接公開することさえ可能だ。
Google自身はAndroid Marketの登録本数を公表していないが、Android情報サイトAndroilibによれば、2010年4月13日時点で約4万6000本のアプリケーションが登録されている。