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 VLAN間ルーティングに関する設問だ。VLANで分割したサブネット同士の通信には,レイヤー3のルーティングを行うルーターが必要となる。たとえ同じLANスイッチにつながっている機器同士でも,所属するVLANが異なればルーターなしでは通信できない。

 VLAN同士で通信するためには,スイッチにルーターを接続しておく。そして,異なるVLANあてのパケットをルーターに渡し,ルーティングしてもらう。

 ルーターとスイッチの間はトランク接続にする。そのためルーター側でも,スイッチで指定した,タグを付けるプロトコルを設定する。一つのインタフェースで複数のVLANのパケットをやりとりするため,複数のIPアドレスが必要となる。

 そこで,物理インタフェースを複数の論理インタフェース(サブインタフェースと呼ぶ)に設定し,それぞれ対応するVLANとIPアドレスを割り振る。本問題の場合,ルーターXの物理インタフェースFa0/1をサブインタフェースFa0/1.1とFa0/1.2に設定して,別々のIPアドレスを割り当てる。そして,ルーターとスイッチの間をトランク接続し,Fa0/1.1とFa0/1.2をVLAN11とVLAN12に割り振る(図1)。つまり,問題の解答は選択肢c,dである。

図1●異なるVLAN同士をつなぐVLAN間ルーティング<br>VLAN11とVLAN12のように,異なるVLAN間で通信する場合,スイッチとルーターの間をトランク接続でつなぐ。ルーターにVLAN用のサブインタフェースを設け,トランク接続として利用するプロトコル,IPアドレス,所属するVLAN番号などを設定する。パソコンには,各VLANを受け持つルーター(デフォルト・ゲートウエイ)のサブインタフェースのIPアドレスを設定する。
図1●異なるVLAN同士をつなぐVLAN間ルーティング
VLAN11とVLAN12のように,異なるVLAN間で通信する場合,スイッチとルーターの間をトランク接続でつなぐ。ルーターにVLAN用のサブインタフェースを設け,トランク接続として利用するプロトコル,IPアドレス,所属するVLAN番号などを設定する。パソコンには,各VLANを受け持つルーター(デフォルト・ゲートウエイ)のサブインタフェースのIPアドレスを設定する。
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スイッチング編 第5回 VLANとVTP