「ほ~ほけきょ」
「おやおやゲール君、頭の中は春ですかい?」
「だって、庭の桜は咲いたし、土筆もわんさか。植物はすっかり春ですよ」
「げげっ!土筆が出たってことは、やがて杉菜も・・・」
「そうですね」
「あれは、厄介だからなぁ」
「厄介って?」
「除草剤では、なかなか枯れない」
「いいじゃないですか。どうせいつも雑草ぼうぼうの庭なんですから」
「それを言われると返す言葉もないが、たまには手入れをしているんじゃよ」
「気が向いたときにだけやってもねぇ」
「そうじゃ!ゲール君、君がやりたまえ」
「なんでそうなるの?」
「どうせ、君の仕事は、『ふむふむ』とか『なるほど』とか相槌を打っとるだけなんじゃから、いなくても大して影響ない。給料分、庭の手入れをしたまえ」
「ビシッ!」
「いた~い。何しまんねん」
「私がナイスなボケや質問をするから、先生が引き立つんでしょうが」
「そうかなぁ?」
「そうです」
「そうなの?」
「そうなの!次の相談者のかた、ど~ぞ~」
「先生、今回の治療は簡単そうです」
「ほぅ、ではゲール君に任せるとしよう」
「合点承知!ちちんぷいぷいの・・・えい!」