「優秀な部下ばかりだと楽なのに…」。こうした悩みを持っているとしたら,この本を読んでみてはどうだろうか。やるべきことが見えてくると思う。筆者によると,「『いい部下』は体験的に20%以下。つまり,部下が5人いれば,『使える人』は1人いるかいないか」なのだそうだ。上司のやるべきことは,部下の能力を見いだして伸ばすこと。本書にはその具体的な方法が書かれている。上司と部下を題材にしているが,ITプロジェクトのチームにもそのまま適用できる内容が多い。

 本書のユニークな点は,性格などに基づいて部下を45ものタイプに分類していることだ。これだけあれば,部下がどれかのタイプに当てはまる可能性が高いだろう。具体的には,納得しない部下,指示待ちの部下,価値観が違う部下──などを挙げている。これらのタイプごとに,どのようにすると部下の能力を伸ばすことができるかをまとめている。

困った部下を戦力化する45の即効スキル

困った部下を戦力化する45の即効スキル
西村 克己著
梧桐書院発行
1575円(税込)