写真1●アイネスのマネージドセンター
写真1●アイネスのマネージドセンター
[画像のクリックで拡大表示]

 「金融機関の電算部門が独立して、ホストコンピュータを使った情報処理サービスを開始した。それが当社のそもそもの設立の経緯」と、アイネスの永田邦雄氏(企画部長)は語る。1964年のことだ。その後、1980年代後半から顧客がオープンシステムへと移行し始めたため、それに対応する設備を整えるうちに、同社のデータセンタービジネスのスタイルが出来上がった。

二つの意味を持つワンストップサービス

 「ワンストップサービス」を最大のセールスポイントに掲げている。それには二つの意味がある。

 一つは、システムコンサルティングからシステム構築、カットオーバー後の運用保守まで一貫して担える点。もう一つは、データ入力代行から、帳票出力、発送サービスまで、データセンターで起こり得るすべての業務を請け負えるという点である。しかも後者においては、セキュリティへの配慮から、すべての業務を1カ所のデータセンター内で完結させる。「いったん持ち込まれたものは、最後までどこにも持ち出させないのが当社のポリシー」。同社の坂本義平氏(産業システム事業部 運用サービス本部長)はこう語る。

 システム機器設置のみのシンプルなハウジングサービスも提供しているが、その場合もアイネスのSEが担当者として付く。データセンターに入出館する場合はその担当SEと連絡を取り、データセンター内での作業も担当SEが常に同伴する。これは、サポートできる人間がそばにいることで、顧客の利便性を上げるためであるという。

担当者に作業指示を出す統合運用ツール

 一貫サービスを志向するだけに、運用体制にも特徴がある。それを象徴しているのが統合運用ツールだ。同社は全国5カ所にデータセンターを展開しているが、その運用監視は1カ所で集中的に行っている(写真1)。

 同社の佐々木建四郎氏(アウトソーシング本部長)は「統合運用ツールは当社が20年以上にわたって培ってきた運用ノウハウのデータベース。2009年10月に実施したリニューアルでは、インシデントの共有と対策を可視化する機能、危険予知機能、インシデントの迅速なエスカレーション機能を強化した」と説明する。

 またこのツールは、担当者が行うべき作業を適切に指示できる仕組みになっており、属人性や作業のヌケ・モレを防いで運用品質の向上に貢献している。

 さらに、インフラ運用ばかりではなく、同社が開発したシステムを中心に、アプリケーションの運用も引き受けているという。「顧客が『代わりにやってくれたらありがたい』と考えるシステム関連業務をすべて引き受けるというのが基本的な姿勢だ」(産業システム事業部 産業営業本部 産業営業第一部長 吉田孫昭氏)。

帳票出力プリンター付きのDRサイト

 同社はオプションとして、離れた拠点のデータセンター間でのDR(ディザスターリカバリー)サイトの設計・構築サービスを行っている。DRサイトには、大量の帳票出力が可能なプリンターを設置。顧客が望めば顧客専用のプリンターも置ける。万一首都圏で何かあっても、完全に切り替えて業務遂行ができるだけの体制を整えている。

ワンモア・ポイント
 アイネスのセキュリティへのこだわりは強い。協力会社を含め同社で働くすべての人間に、個人情報の取り扱いに関する独自の認定資格を取得させ、定期的なテストによりその知識を維持向上させている。セキュリティ関連のサービスにも力を入れている。例えば、帳票をシュレッダーにかけて溶解処理し、破棄証明書を発行するサービス、記録媒体を粉砕することなくデータを完全消去するサービスなどがある。データ消去サービスは、出張サービスの引き合いもあるほどの人気メニューだ。

基本情報
●名称:アイネス マネージドサービス
●場所:首都圏に4カ所、西日本に1カ所
●最寄り駅:要問い合わせ
●料金:要問い合わせ