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米小売り大手の書籍リーダー「nook」を評価OSにAndroidを搭載するも,“らしさ”はまったくなし米国の大手書籍小売り,バーンズ・アンド・ノーブル(B&N)が米アマゾン・ドットコムの「Kindle」対抗として2009年11月から販売している電子書籍リーダーが「nook」だ。このデバイスが興味深いのは,OSとしてAndroidを搭載していることである。同端末を入手することができたので,今回評価してみた。評価では特に,Androidらしさがどの程度見えるかに特にポイントを絞った。 評価の内容を伝える前に,nook自体の機能を整理しておく。表1にあるようにnookはKindleと同様に800×600ドットの6インチの電子ペーパーを備えている。機能としては,PDFやWordファイルの閲覧機能,音楽再生の機能などを備える。 表1●nookとKindle2の比較
電子書籍としての機能にほとんど差はないが,ユーザー・インタフェース(UI)がKindleと大きく異なる。nookは画面の下に3.5インチのカラー液晶パネルを装備しており,ここを使って機器を操作できる(写真1)。一方,Kindleはキーボードやボタンによって操作を行う。 nookの操作では,電子ペーパー上の表示内容やユーザーの操作に従い,タッチパネル部分の表示が変わっていく。このUIは慣れが必要だが,使い込んでいくうちに気にならなくなった。逆に,電子書籍購入の際に,カラーで表紙カバーを表示できるなど,KindleよりもUIに面白みを感じた。 このほかハードウエアの面では,Kindleが第3世代携帯電話モジュールのみを搭載しているのに対し,nookは無線LANも搭載している点に違いがある。 将来はアプリ開発環境を公開?さて,評価のポイントであるAndroidらしさについて見てみる。Androidの本体部分は,タッチパネルの部分であり,電子ペーパー部分はサブ画面という形で実装されているようだ。つまり,このタッチパネル部分がどれだけ従来のAndroidを残しているかで,Androidらしさを調べることが可能だ。 結論を言うと,Android的な部分は完全に隠蔽(いんぺい)されており,Androidであることは全然,感じられない。あえて,挙げるとすれば無線LANの設定メニューの内容が,スマートフォンのAndroidと似ている程度だ(写真2,写真3)。 この実装を見る限り,B&NがAndroidを使った理由は,開発を簡易化するためだったと思われる。わざわざ自社で開発しなくても,Androidには無線LANやキーボード,音楽プレーヤーなどB&Nが電子書籍に求めていた機能がセットで提供されていたために,これをそのまま使ったわけだ。従来から指摘されてきた組み込み機器でのAndroidの使い方であるが,それを実際に使ってしまうB&Nの実行力に感心した。 既にWeb上のコミュニティでは,nookを解析し,様々なアプリケーションを載せる試みがされている(nookDevsのサイト)。Dalvikの仮想マシンも動いているようだ。B&Nはnookのアプリケーション開発環境を将来,外部に提供することを想定し,Androidを使ったとも考えられる。実際,アマゾン・ドットコムはKindleのアプリケーション開発環境のベータ版の公開を開始している(アマゾンのブログ記事)。 連載新着連載目次へ >>
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