当サイト「経営とIT新潮流」がクローズすることになり、「サービス・イノベーションの世紀」のコラムもクローズすることとなった。

 昨年春より40回のリレー連載であったが、「サービス・イノベーション推進委員会」と銘打った活動も、サービスやサービス・イノベーションに関するあるべき論の提起や、各分野の具体的な事例の紹介や評価など幅広く展開されてきたと感じている。

 特に、サービス・イノベーションのプロジェクトの推進者、支援者、技術提供や研究を通した密接なかかわりを持つ当事者自らによって語られた事例紹介は、これまでにはないリアリティーと気づきを与えてくれたと思う。

 しかし、サイトの運営も、記事の掲載にとどまり、意見交換や評価、掘り下げ、読者との双方向の場の設定ができなかった点は、決してサービスレベルの高い情報共有とは言えず、反省も残るところである。

 サービス・イノベーションへの取り組みは、2007年からの「サービス産業生産性協議会」や「サービス工学研究センター」、「各種実証実験」などの経済産業省系の活動や、文部科学省系の「サービス・イノベーション人材育成推進プログラム」、「サービス科学・工学の推進に関する検討会」などを通して推進されてきた。

 この3年間、リレー連載のメンバーもこの活動を推進してきたが、様々な成功事例の発掘と整理、生産性向上のためのプロセスやオペレーション改善の取り組み、事例共有のセミナーや顧客満足度の評価指標の開発などが主な活動である。

 こうした活動を通して、サービス産業の生産性向上とサービス・イノベーションの重要性の認識は深まりつつあり、厳しい経済環境も反映して、中小企業も含めた問題意識は高まって来ている。