iPhoneの普及により、スマートフォンは日本においても大きな市場として認知されてきた。一方で、2010年にはAndroidスマートフォンの本格普及が日本市場でも始まると見られている。2010年の4月にNTTドコモから2機種めのAndroidスマートフォン「Xperia」が発売されるほか、KDDI、ソフトバンクからも2010年前半にAndroidスマートフォンが登場するからだ。

 スマートフォンの魅力はなんといってもアプリケーションである。iPhoneアプリケーション情報を調査しているオランダDistimoによれば、iPhoneのAppStoreには15万本を超えるアプリケーションが登録されており、これがiPhoneの大きなアドバンテージになっている。一方、Androidアプリケーション情報サイトのAndrolibによれば、Googleが運営するAndroid Marketには、3月18日時点で3万5000本以上のアプリケーションが登録されている。

 本連載では、このiPhoneとAndroidをアプリケーション開発者の立場から比較する。ハードウエア、OS、ユーザー・インタフェース、開発環境および開発言語、アプリケーション・ストア(AppStoreおよびAndroidマーケット)の各テーマで、両スマートフォンの長所と短所を分析していく。

 第1回となる今回は、両者のハードウエアを比較する。次回以降は、ITproの記事を読むためのiPhoneアプリAndroidアプリを開発し、「Androidで広がる、携帯アプリ開発の世界」と「オール・イン・ワンiPhone開発」を執筆したアシアルがアプリケーション開発過程における両者の比較をお届けする。

1社ですべて開発するiPhone、オープンソースで多くの企業が開発するAndroid

 ハードウエアにおける最大の違いは、iPhoneの環境が統一されているのに対し、Androidはバラエティに富んでいるということだ。これはもちろん、iPhoneはOSもハードウエアもAppleが開発しているのに対し、AndroidはGoogleがオープンソース・ソフトウエアとして公開し、ハードウエアは各メーカーが開発しているためだ。世界で販売されているAndroidスマートフォンは20種類以上にのぼる。

 現在日本で販売されている「iPhone 3GS」と、Androidスマートフォン「HT-03A」、そして2010年4月に発売が決定している「Xperia」でその違いを見てみよう。

iPhone
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Xperia
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HT-03A
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