フレッツ・VPNワイドを選択するときのもう一つの重要なポイントは,回線の冗長性をどう確保するかという点である。

 NGNは従来のフレッツ網に比べて信頼性が格段に向上しているが,それでもアクセス回線の信頼性は専用線に比べて低い。また,工事のための計画停止が多い。このため,基幹系などの重要な通信に利用するためには,様々な工夫が必要となる。

自動切り替え機能を持つルーターを利用

 コストをかけられるなら,信頼性が必要な基幹系にIP-VPNを利用し,情報系にはブロードバンド回線を利用する手がある。しかし,あまりコストをかけられない中小規模の企業は,重要な通信もブロードバンド回線で構築したい。この場合,ブロードバンド回線で障害を検知し自動的にISDN回線などのバックアップ回線に切り替える機能を持つルーターを利用する方法がある(図1)。

図1●重要な通信にはバックアップ回線が必須<br>基幹系などの重要な通信を中断させないためには,ISDNなどのバックアップ回線を用意する必要がある。また,障害発生を検知して自動的にバックアップ回線に切り替える機能を備えるルーターを使うことも必要だ。
図1●重要な通信にはバックアップ回線が必須
基幹系などの重要な通信を中断させないためには,ISDNなどのバックアップ回線を用意する必要がある。また,障害発生を検知して自動的にバックアップ回線に切り替える機能を備えるルーターを使うことも必要だ。
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 ただし,こうしたルーターの設定やネットワークの構築にはある程度の知識が必要となる。設定・構築を外部に任せたい場合は,他のエントリー型VPNを利用する手もある。例えば,Group-VPNでは,回線自動切り替え機能を持つルーター(ヤマハのRTX1000)を使ったバックアップ回線ソリューション「Group-VPN Plus」を提供している。