米Microsoftは、EU地域向け「Windows 7」「Windows Vista」「Windows XP」に新規追加した「ブラウザ選択画面」にバグがあるとの指摘を受けた。そこで同社は、Webブラウザの表示順序がきちんとランダムになるよう、こっそりとコードを直した。修正前のアルゴリズムは、1番目に表示するWebブラウザが特定のものに偏っていた(関連記事:EU、Windowsのブラウザ選択画面を1億人で利用可能と発表)。

 Microsoftの広報担当ディレクタ、Kevin Kutz氏は今回の修正について「欧州向けに提供しているブラウザ選択画面でWebブラウザ用アイコンの表示アルゴリズムを変え、順番がランダムになるようにした。この変更は改善につながるはずだ。当社は今回の件で開発者からのフィードバックに感謝しているし、意見や変更のアドバイスをしてくれた方々にお礼を伝えたい」と述べた。

 問題のブラウザ選択画面は、Microsoftが欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)と同意した和解条件に含まれている機能だ(ECはMicrosoftとライバル関係にあるWebブラウザ・ベンダーであるノルウェーOpera Softwareの訴えを受け、競争法違反の疑いでMicrosoftを調査していた)。ブラウザ選択画面を目にしたWindowsユーザーは、最初から入っている「Internet Explorer(IE)」以外にもWebブラウザが存在すると知り、使ってみることができる。ただしこの画面は、デフォルトWebブラウザにIEを設定している場合だけ現れる。ブラウザ選択画面は、上位5種類のWebブラウザを平等にランダムな順番で表示する。

 だが、この表示をさせるコードに実装のミスがあり、米Googleの「Chrome」がほかのWebブラウザよりも1番目に表示されやすくなっていた。しかもMicrosoftのIEは5番目になることが多かった。そこでMicrosoftはコードを修正し、Webブラウザ上位5種類の表示順序をきちんとランダムになるよう直した。

 表示アルゴリズムにあった問題を紹介してくれた米IBMの技術者、Rob Weir氏は「この変更で問題が解決した。動作が非常に速くなったし、新たなランダム表示アルゴリズムはうまく動いている。申し分ないように思う」と述べている。

 なお、ブラウザ選択画面は一部の無名Webブラウザに若干の新規ユーザーをもたらした。こうした新たなユーザーは、ブラウザ選択画面でこれらWebブラウザの存在を初めて知ったに違いない。我々は今まで「Sleipnir」や「Maxthon」といった個性的なWebブラウザを使わず、どうやってWebにアクセスしていたのかよく思い出せない。