日本では当面はAndroidマーケットを利用

 一方、PlayNowを通じて日本市場向けにはAndroidアプリケーションを配布できない。日本国内では、アプリケーションの販売を実施していないためである。これは、PlayNowがもともとDRMフリーな(デジタル著作権管理を付けない)音楽配信サービスとして始まったことから、日本国内では別の展開が必要だったことに由来するという。

 そこで、ソニー・エリクソンでは「日本向けにAndroidアプリケーションを配布したい開発者は、当面は米Googleが運営するAndroidマーケットへ登録してほしい」と説明する。日本国内にもPlayNowという名称のサイトはあるが、現状はマーケットではなく情報提供サイトとの位置づけである。

 ソニー・エリクソンは、先に説明したHero Developer制度を設け、選ばれた優秀な開発者には同社独自のAPIを利用可能とするとの施策を採っている。この制度は日本国内でも実施する考えだ。つまり、同社の独自APIを使ったアプリケーションについては、選ばれた開発者だけに参入してもらう方向だ。これはXperiaの独自機能をすぐ使いたいと考える開発者にとっては残念なことかもしれない。一方で、適度な参入障壁があり、過当競争に陥りにくい環境が好ましいと考える開発者もいるだろう。

 また、独自APIを用いないアプリケーションであっても、Xperiaでは従来の端末より快適に動作する。当面は、広い画面、高速なCPUの活用が、Xperia向けの特性を引き出したアプリケーション開発のポイントということになる。

写真●Hero Developer制度を設け、優秀な開発者には資金や技術、宣伝面で支援する
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 なお、日本国内でのAndroidのアプリケーション・マーケットとして、1月21日のXperia発表会の場でNTTドコモが発表した「ドコモマーケット」にも触れておく必要があるだろう。2010年4月の発足時点では、ドコモマーケットは、Androidマーケットから厳選した少数のAndroidアプリケーションを紹介するディレクトリであり、アプリケーション本体はAndroidマーケットからダウンロードする形となる。日本で発売するXperiaにはドコモマーケットへのリンクアイコンが導入されており、利用者の多くが、ドコモマーケット経由でAndroidアプリケーションを導入することになるだろう。NTTドコモによれば、2010年内には、ドコモマーケット独自の課金システムなどを整備する考えであるという。

写真●説明の後、多くの開発者がXperiaの実機に触れた
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写真●XperiaのTimeScape画面
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