今回のテーマはテレアポの実践です。まずは、山田さんの様子を見ていきましょう。

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 元エンジニアの山田ひろしです。先輩の五十嵐さんからテレアポの秘訣についてレクチャーを受けています。

 「目的の相手が出た場合に、どういう話をする?」

 「そういえば、何も教えてもらってないですね。ぜひ、教えてください」

 「さっき、テレアポでは商品説明はしない、と言ったよね。もう少しテレアポを続けるから、見ていて学んでください」

 何回か不在の電話が続いた後、A商事という商社のシステム部長につながりました。

 「初めまして。私、XX情報システムの五十嵐と申します。今、少しお時間をいただいてよろしいでしょうか?」

【Tips4】本題に入る前に、電話相手にパーミッション(許可)をとる

 「どういった要件ですか?」

 「はい、ありがとうございます。実は弊社は商社専門に、基幹システムを取り扱っている部隊がおりまして、皆様と同様の規模の会社様への多数の導入実績がございます。最近では、在庫の削減の課題に取り組んでおり、相当数の実績を上げておりますが、ご興味はございませんでしょうか」

【Tips5】「自己紹介」の後、「実績」「お客様の課題の言い当て」

 「ふーん、どれくらいの実績が上がってるの?」

 「はい、直近1年間で8社ほど、平均して約20%の在庫削減の実績がございます。お電話では詳しいお話が出来ませんので、一度お時間を頂けませんでしょうか。例えば来週の金曜日の15時からなどでは?」

【Tips6】こちらから面談のお願いと、候補日を言う

 「金曜日は空いてないねぇ」

 「左様ですか。それでは、木曜日の午前10時からではいかがでしょうか」

 「木曜日ねぇ…。30分くらいならいいよ」

 「ありがとうございます。それでは、木曜日の午前10時に訪問いたします。失礼ではございますが、もう一度お名前を頂いてもよろしいですか?」

 「部長の毛利です」

 「ありがとうございます。それでは当日、どうぞよろしくお願いいたします」

 「アポイントが取れたぞ。山田さん、やり方分かった?」

 「五十嵐さん、鮮やかでしたね!すごいです」

 「だいたい1分程度で終わるんだ。トークのコツは三つ。パーミッションとストーリー、そしてクロージングだ。今から詳しく説明するよ」