Windows 7では、エクスプローラを起動すると「ライブラリ」と呼ばれる仮想フォルダを開くようになった。この「ライブラリ」では、異なるフォルダに散らばっているファイルを、あたかも同じフォルダにあるかのように表示する。今回はWindows 7の新機能である「ライブラリ」の操作方法と注意点を解説していこう。
単純なフォルダ分けでは情報の整理が難しい
Windows 7でタスクバーのエクスプローラをクリックすると、初期状態では「ライブラリ」という名前のフォルダが開く(図1)。
この「ライブラリ」は、いわゆる「仮想フォルダ」と呼ばれるものである。つまり、ディスク上に実際に存在しているフォルダではなく、OS上であたかも表示しているファイルがまとまって入っているフォルダがあるかのようにソフトウエアで見せかけているものだ。なぜ、このような仮想フォルダが必要となるのだろうか。
まずは、ファイルをどのように管理しているのかを考えてみよう。ファイルには「文章」や「画像」「音楽」など様々な種類がある。そこで、こうした種類別にフォルダを作って管理していることがあるかもしれない。たとえば、あるプロジェクトで利用するファイルのうち、文章は「マイドキュメント」、画像は「マイピクチャ」に保存したとする。ところが、プロジェクトが複数になると、この方法には問題があることに気付く。様々なプロジェクトの文章や画像が同じフォルダ上に混在してしまうからだ。ファイル名で区別したり、タブで管理するなどの運用の工夫をしたとしても、プロジェクト単位の管理がしにくくなってしまう。
これを解決するには、プロジェクト単位でフォルダを作り、そのサブフォルダとして「文章」や「画像」を保存するといった管理になる(図2)。すると、今度はプロジェクトのフォルダごとに「文章」や「画像」フォルダが存在してしまい、ファイルの種類という観点では管理できないことになる。まさに「こちらをたてれば…」の状態だ。
実際の場所に関係なくカテゴリが共通するファイルをまとめて表示
もしプロジェクト単位という考え方はそのままで、プロジェクトごとのフォルダに分かれて存在する文章や画像のフォルダを、「ドキュメント」や「ピクチャ」といったカテゴリ別でもまとめて表示できると便利である。これが「ライブラリ」という機能の出発点だ。たとえば、いろんなプロジェクトのフォルダ内にある文書ファイルをまとめて表示するのが「ドキュメントライブラリ」である(図3)。
つまり、ディスク上に点在しているフォルダを、ある共通したカテゴリでまとめることができるようにした機能が「ライブラリ」である。では、具体的な「ライブラリ」の操作方法を紹介していこう。