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社会×IT

もう外国語で悩まない!? リアルタイムな翻訳システムの実用化が間近

福田 崇男=日経コンピュータ 2010/02/02 日経コンピュータ

 「Where is the nearest station?」「えっ、なに?なに?I can’t speak English.」――。もう、こんな恥ずかしい思いはしなくてすむかもしれない。相手が話した言葉を自動的に翻訳し、メガネ型の表示ディスプレイなどに翻訳内容をほぼリアルタイムに表示するシステムの実用化が近いからだ。英語のほか、中国語と韓国語にも対応する。まずは、日本を訪れた観光客との“通訳”として期待されている。

 “通訳”となるのは、音声認識ソフトと自動翻訳ソフトを組み合わせたシステム。マイクで音声を検知し、それを自動的に翻訳して各種の表示装置に表示する。会話する双方が利用することで、例えば日本語を知らない外国人観光客と、英語を知らない日本人の会話が可能になる。

写真1●観光客と従業員の双方がメガネ一体型ディスプレイをかけて対話する
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●網膜走査ディスプレイとWindows CEを搭載した小型PC、ヘッドセットを組み合わせたスカウター型システム
[画像のクリックで拡大表示]

 この自動翻訳システムの実地検証が、2010年1月25日から、山梨県内29カ所にあるホテルや観光地で始まっている。JTBグローバルマーケティング&トラベルとNEC、NICT(情報通信研究機構)が参加し、日本語と、英語、中国語、韓国語に対応した機器を、外国人観光客や、ホテル・売店の従業員などに貸し出し、その有効性を検証する。

 想定する利用場面の一つに、ホテルのロビーがある。コンシェルジュと観光客のそれぞれが翻訳システムを使って会話する(写真1)。例えば観光客が英語、コンシェルジュは日本語で話しても、それぞれに対して、英語や日本語の翻訳文が表示することで、会話を成り立たせようというわけだ。

 検証するシステムは、スカウター型ディスプレイと、スマートフォン、PCの3タイプ。スカウター型とは、ブラザー工業が開発した網膜走査ディスプレイ「Tele Scouter(テレスカウター)」と、Windows CEを搭載した小型PC、ヘッドセットを組み合わせたものである(写真2)。翻訳精度を高めるために、山梨県の地名や、観光という用途に合わせて辞書を強化してある。

 JTBグローバルマーケティング&トラベル GMTツーリズム総合研究所の村山慶太主任研究員はTele Scouterについて、「日本を訪れる観光客にとって、言語のカベは、楽しさを損なう理由の一つになっている。観光地にしても、日本語が通じない観光客を受け入れることには、多少の負担がある。このシステムが実用化されれば、これらの問題を解消できる」と期待する。

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