同じEmbedded Technology 2009では、中国端末メーカーのアーチャーマインド・テクノロジーがAndroidで作ったカーナビゲーション・システムを展示した。このカーナビは3Gと無線LAN、Bluetoothによる通信機能を持つ。GPSベースのナビゲーションのほか、ネットワーク機能を使った各種位置情報サービス、Webブラウザ、音楽/ビデオ再生機能などを搭載している。インスタント・メッセージ、ショート・メッセージなどのアプリケーションも持つ。2010年2月には中国の自動車メーカーに搭載される。

ムーブメントを読み解くキーワード
Amazon Kindle
米アマゾン・ドットコムが販売する電子ブック・リーダー。携帯電話ネットワークを経由して、アマゾンのサイトにアクセスして書籍データを購入し、ダウンロードして読むことができる。画面には白黒の電子インクが使われている。画面サイズが6インチのモデル(Kindle 2)と、9.7インチのモデル(Kindle DX)がある。PDFのリーダーを搭載しており、USBケーブルやメール経由で本体に転送し、これを読むことも可能。米国外でも使えるインターナショナル・バージョンは2009年10月に販売が始まった。ベースはKindle 2だが、W-CDMAやGSMなどの無線インタフェースを備えている。日本を含む世界100カ国以上で購入できる。2009年12月時点では日本語の書籍の購入には未対応。

Android
米グーグルが開発した携帯電話プラットフォーム。2008年10月にソースコードが公開された。Linux OSをベースとし、その上に携帯電話開発に必要なミドルウエア、独自のJava仮想マシンであるDalvik VMが搭載されている。Apache 2.0のライセンスでオープンソースとして公開されているため、ソースコードの改変が自由。

OESF
Open Embedded Software Foundationの略。Androidをベースに組み込み機器向けのプラットフォームを開発する民間団体。セットトップ・ボックスやIP電話などの機器に必要な機能のうち、Androidにはないものを会員企業で分担して開発する。開発したプラットフォームはEmbedded Masterとしてまとめ、会員企業に公開する。その3カ月後に、一般向けにも公開する。最初のバージョンとなるEmbedded Master1は11月に会員に公開され、2010年2月に一般公開される予定である。

ウィジェット
HTMLとJavaScriptで記述され、情報端末側のストレージから起動されるアプリケーション。一般のWebページのようにWebサーバーからHTMLファイルをダウンロードするのではなく、ファイル本体がローカルに置かれる点が大きく異なる。

IPTVフォーラム
IPを使った動画配信の仕様の標準化と普及を目的として2008年5月に設立された民間の標準化団体。NTT、KDDI、ソフトバンクの通信事業者3社、放送事業者、テレビ・メーカーなどが参加している。ビデオ・オンデマンドや動画のダウンロード、IPマルチキャスト放送の仕様などを決めているほか、サービスの運用規定なども定めている。この仕様は、NTTぷららの「ひかりTV」やアクトビラの「アクトビラ ビデオ」などで採用されている。