■「dvdisaster」は、CD-R/RWやDVD-R/RWおよびBD-R/RWなどのメディアに保存したデータを復活させる際に役立つツールである。
■メディアに保存したデータからパリティ・ファイルを作成しておき、メディアのデータ読み出せなくなった場合は、パリティ・ファイルの情報から元のデータを復旧する。バックアップなどで、データを長期保存する場合に便利である。

■ソフト名 dvdisaster(バージョン0.72 (pl1))
VistaXP2000
英語
■開発 Carsten Gnoerlich氏
■URL http://dvdisaster.net/en/
■ファイル dvdisaster-0.72.1-setup.exe(6,122,003バイト)
■対応OS Windows Vista/XP/2000(筆者のテストではWindows 7でも動作する。ただし64ビットOSの場合でも32ビットモードとなる)
■価格 無料 (GPL)
■評価
(5段階)
★★★★

 書き込み可能なCDやDVDメディア(-R/RW/RAM)は、ハードディスクなどのメディアに保存されているデータを容易にコピーできることから、データのバックアップ・メディアとして広く利用されている。最近では書き込み可能なブルーレイ・ディスク(以下「BD」と略記)のメディアも普及し始めており、容量の大きさからデータのバックアップ・メディアとしての利用価値が高くなってきている。これら書き込み可能なメディアに書き込まれたデータは、品質の確かなメディアを使い、一定の管理基準に基づいて保管されていれば、比較的長期の保存に耐え得るバックアップ手段としての信頼性が高い。

経年変化で読み取り不良が発生する

 しかしながら、これらのメディアは、カートリッジなどで保護されているメディアも一部あるが、多くは表面にきわめて薄い保護膜が存在するだけで記録面が「露出」している。この状態で保管していると、汚れや傷などが付着する危険性にさらされていることになる。このため、データの読み取り不良・不能状態を引き起こし、バックアップ・データのリストアができなくなる事態も考慮しておく必要がある。実際に数年前に書き込んで保存しておいたCD/DVDメディアが読み取り不良となって途方に暮れた経験をもつユーザーも多いだろう。

 傷や汚れは適正な保管手段さえ講じていればある程度は防げるトラブルなので、長期間のデータ・バックアップを阻害する主な要因とはならないかもしれない。より懸念されるのは、記録のために使われている記録物質(有機色素材料やアモルファス金属材料など)の経年変化や環境変化による性能の劣化の可能性である。保存する環境にもよるが、いずれのメディアも永久的な耐久性が保証されているものではないことに留意する必要があるだろう。

 不幸にも読み取り不良を引き起こしてしまったメディアに対して、たとえば「CDCheck」などの修復ツールを使用して、メディアからのデータの修復を試みる、のも1つの方法だろう。だが、これとて必ず修復できる手段であるとは言い難い。トラブルを未然に防ぐためには、大切なデータを保管するメディアを定期的に更新するのがもっともよい方法だろう。要は、トラブルが発生する前に予防するといった対策・手段を講じておくことが重要である。