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失敗する標準化

「過去の成功」は過去のものでしかない

2010/02/09 ITpro

 きちんと定着したか否かは別にして、標準化に取り組んだことのない企業はないだろう。少数派ではあるが、標準化に成功した企業ではプロセスの品質や生産性を向上させている。だが、そうした“成功企業”にも落とし穴が待ち受けている。技術や環境の変化に追随できないと、標準プロセスが「足かせ」になり得る。

クニエ 戦略サポートグループ
鎌田 肇、山本 真

 過去の成功体験を形式知化した「ベスト・プラクティス」というものには、その輝きが急速に失われる危険性があることを忘れてはならない。今回は、標準化に一度は成功したにもかかわらず、いつの間にか成功実績が「過去の遺物」となり果ててしまった小売業D社の事例を基に、標準化に失敗する原因を解説する(図1)。

図1●標準化に失敗する6つの理由
図1●標準化に失敗する6つの理由

“自慢”の成功体験

 標準化を実現するためには、それなりの期間と費用が必要であり、現実的な実行までには困難が伴う。それだけに一度標準化の取り組みに成功すると、強烈な「成功体験」として当事者に印象付けられる。

 そのため、標準化について新たな取り組みが必要になる際に、どうしてもその成功体験が影響を及ぼす。それは必ずしも良いものとは限らず、状況によっては成功事例やベスト・プラクティスと決別することも必要になる。

 全国展開している小売業のD社は、一般消費者向けの商品販売を通じ、顧客情報、取引先情報など多種多様な情報を取り扱っている。企業の社会的責任を果たすに当たり、情報の適切な取り扱いと安全管理のために、全社を挙げて情報セキュリティ管理の標準化に取り組んだ。

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