問題

問70 0から1までの一様乱数からXとYを取り出すことを600回繰り返す。このときY<Xを満たす回数の期待値は幾らか。

ア 150
イ 200
ウ 300
エ 400

テクノロジ系>基礎理論>基礎理論>応用数学

解説と解答

 乱数(random number)とは、規則性がまったくなくランダムに並べられた数字の列です。また、一様乱数とは、ある有効区間に偏りなく散らばっている乱数であり、この区間に含まれる数字はすべて同じ確率で出現します。

 0から1までの一様乱数からXとYを取り出すとき、0~1の区間ですべて同じ確率でランダムに数字が出現するのであれば、直観的に考えるとY=Xとなる確率は非常に低く、Y<Xとなる確率は0.5、Y>Xとなる確率も0.5であると推測できます。

 ここでは、次のようなグラフを使って検証してみましょう。

 0から1までの一様乱数から取り出したXの値をX座標、Yの値をY座標とし、(X,Y)のように対応づけた点をプロットします。このとき、0から1までの一様乱数から取り出してプロットされる(X,Y)の点は、1×1の正方形の中に、偏りなく均一に散らばって描かれるはずです。

 このグラフにおいて、Y<Xの条件を満たしているのはグラフの青い三角形の領域です。正方形の面積1に対して青い三角形の面積は0.5であることから、Y<Xの条件を満たす(X,Y)の点の数も、この面積比に従ってプロットされると考えられます。

 XとYを取り出すことを600回繰り返すので、プロットされる点の数は全部で600個です。このうち、Y<Xの条件を満たす(X,Y)の点の数は600×0.5=300個になるので、Y<Xの条件を満たす回数の期待値も300回になります。

 よって正解は,選択肢ウです。

小倉 美香(おぐら みか)
アプリケーションデザイナー 代表取締役
情報サービス会社の勤務を経て、1998年より現職。保持する資格は、プロジェクトマネージャ、テクニカルエンジニア(ネットワーク)、同(情報セキュリティ)、基本情報技術者など多数。著書に「3週間完全マスター ITパスポート 2010年版」などがある。