問題

問67 フールプルーフの考え方として、適切なものはどれか。

ア 故障などでシステムに障害が発生した際に、被害を最小限にとどめるようにシステムを安全な状態にする。
イ システム障害は必ず発生するという思想の下、故障の影響を最低限に抑えるために、機器の多重化などの仕組みを作る。
ウ システムに故障が発生する確率を限りなくゼロに近づけていく。
エ 人間がシステムの操作を誤ってもシステムの安全性と信頼性を保持する。

テクノロジ系>コンピュータシステム>システム構成要素>システムの評価指標

解説と解答

 フールプルーフ(fool proof)は、利用者の不注意や誤操作などによってシステムが意図しない方法で使用されても、システムが故障したりしないようにするなど、「人間がシステムの操作を誤ってもシステムの安全性と信頼性を保持する」というシステムの信頼性設計の考え方です。

 フールプルーフでは「システム利用者のミスは避けられない」という前提に立っており、利用者が間違った操作をしたときでも、安心してシステムを利用できるように配慮するという考え方に基づいています。

 したがって、正解は選択肢エです。

 そのほかの選択肢に関する説明は、次のとおりです。

 選択肢アについて。「システムに障害が発生した際に、被害を最小限にとどめるようにシステムを安全な状態にする」というシステムの信頼性設計の考え方をフェールセーフ(fail safe)と言います。

 選択肢イについて。「故障の影響を最低限に抑えるために、機器の多重化などの仕組みを作る」というシステムの信頼性設計の考え方をフォールトトレランス(fault tolerance)と言います。

 選択肢ウについて。「システムに故障が発生する確率を限りなくゼロに近づけていく」というシステムの信頼性設計の考え方をフォールトアボイダンス(fault avoidance)と言います。

 なお、この問題で取り上げられている用語はシステムの信頼性設計に関するものであり、まぎらわしい用語が多いので注意が必要です。それぞれの用語の意味の特徴をつかんでおきましょう。

小倉 美香(おぐら みか)
アプリケーションデザイナー 代表取締役
情報サービス会社の勤務を経て、1998年より現職。保持する資格は、プロジェクトマネージャ、テクニカルエンジニア(ネットワーク)、同(情報セキュリティ)、基本情報技術者など多数。著書に「3週間完全マスター ITパスポート 2010年版」などがある。