わかりにくい文章を書いてしまう理由の第1位とも言えるのが、「一文が長い」ということです。文章がダラダラと続き、伝えたいことのゴールが見えない文章というのは、ときにイライラさせてしまうほど読み手に負担をかけてしまいます。
では、なぜ一文が長くなってしまうのでしょうか。以下のような理由が考えられます。
・伝えたいことが整理されておらず、思いつくままに文章を書いている
・主語と述語が離れており、その間に多くの言葉が入っている
・読点「、」で次々と文をつないでいる
・「それ」「これ」などの指示代名詞を使わないで文章を書いている
では、どうすれば一文を短くでき、簡潔な文章にできるのでしょうか。今回は、多くの人が陥りやすい「読点で次々と文をつないでいる」という問題を解決してみましょう。
まず、以下の二つの文章を読んでみて下さい。どこに問題があるでしょうか。
どこが問題?
ここが問題! 読点で次々と文をつないでいる
上の二つの文章は、いずれもダラダラと文が続いており、言いたいことがどこに向かおうとしているのか分りにくくなっています。これは、「〜で」「〜が」などの接続助詞と、読点「、」で文をつなげているために、一文が長くなってしまった結果です。一文の長さを意識せずに文章を書いていると、結果的にこのように読みにくい文章になってしまうのです。
これで解決! 文を切って接続詞でつなぐ
では、長かった文を切って一文を短くし、それぞれの文を接続詞を使ってつないでみましょう。改善後
文を短くするときの目安としては、一文を50文字以内にするといいでしょう。特にメールの場合は、一文が長いと紙の文書以上に読みにくく感じます。文章を書いていて「一文がちょっと長くなったかな?」と思った時は、この50文字を目安にして長いか否かを判断します。
まとめましょう。文章を短くするときの手順は、
1.一文を2つに分ける
2.分けた文章を接続詞でつなげる
という手順になります。
一文を分ける際には、意味の区切りで分けるようにします。最初の例文で言うと、「先日A社でご希望を伺ってから商品の説明をした」という過去の事実を説明した一文と、「それらを見て先方がおっしゃるには、今期のうちに購入したいとのことだった」という先方の意向を説明した一文は、それぞれで伝えたい内容が異なります。こうしたところが、文の区切りになります。
そして、区切ったそれぞれの文を、接続詞でつなぎます。文を接続詞でつなぐコツは、本連載「接続詞を効果的に使う」の回で紹介しました。ただ文章を短くしただけでは、それぞれの文の相互関係がわかりにくくなってしまいます。文の相互関係や文章の方向性が正確に伝わる接続詞を使うことを心がけましょう。