問題

問80 図のような契約の下で、A社、B社、C社の開発要員がプロジェクトチームを組んでソフト開発業務を実施するとき、適法な行為はどれか。

ア A社の担当者がB社の要員に直接作業指示を行う。
イ A社のリーダがプロジェクトチーム全員の作業指示を行う。
ウ B社の担当者がC社の要員に業務の割り振りや作業スケジュールの指示を行う。
エ B社の担当者が業務の進捗によってC社の要員の就業条件の調整を行う。

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解説と解答

 請負契約と派遣契約に関する問題です。請負契約では受託者の判断と責任で業務が遂行され、開発要員の指揮命令権は受託者にあります。派遣契約では派遣労働者への指揮命令権は派遣先にあり、雇用関係の契約は派遣元と労働者の間で結びます。

 それぞれの選択肢を確認しましょう。

 選択肢アの記述について。A社はB社と請負契約を結んでいるため、A社の担当者がB社の要員に直接作業指示を行う行為は違法です。

 選択肢イの記述について。A社はB社と請負契約を結んでいるため、A社のリーダがB社、C社の要員に作業指示を行う行為は違法です。この場合、プロジェクトチームのリーダはB社とC社の要員の中から決めるべきです。

 選択肢ウの記述について。B社はC社と派遣契約を結んでいるため、B社の担当者がC社の要員に業務の割り振りや作業スケジュールの指示を行う行為は適法です。

 選択肢エの記述について。B社はC社と派遣契約を結んでいるため、B社の担当者がC社の要員に対して雇用関係の契約に関する就業条件の調整を行う行為は違法です。

 以上より正解は、選択肢ウです。

城田 比佐子、関谷 昌太
アイティ・アシスト インストラクタ
ITに関するコンサルティングや教育を実施するアイティ・アシストのインストラクタ。新入社員研修やプロマネ育成研修をはじめ、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、プロジェクトマネージャ試験などの試験対策研修の実績も豊富。著書に「3週間完全マスター 基本情報技術者 2010年版」などがある。