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[2]アジア地域でも低価格10メガ回線が当たり前に
出典:日経コミュニケーション 2009年12月15日号
pp.38-41
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります) 「国際ネットワークの性能や信頼性はラスト・ワンマイル,つまり拠点がある国や地域で提供されているアクセス回線によるところが大きい」(ネットマークスの大倉淳一国際企画部長)。特に日本企業が直近の進出先として考えているアジア新興国は,その傾向が強い。安く高速なサービスや,信頼性の高いサービスが日本ほど充実していないうえ,インフラ管理がずさんなことが多いからだ。 実際,電柱に絡まるように複雑に張り巡らされたケーブル,天災によって無残に倒れた電柱といった通信インフラの粗末な扱いは,日本の通信事業者,インテグレータ,ユーザーの誰もが指摘する(写真1)。 ただ,サービス内容は次第に変わってきている。まだ進歩の途上にあることは間違いないが,数年前に比べて,各国のサービス内容は急速に改善が進んでいる。数多くの日本企業が進出する中国をはじめ,人件費の安さや人口の多さで注目を集めるベトナム,フィリピン,インドネシアなどアジア諸国の最近の通信サービス・メニューや料金を見ていこう。 アクセス回線に8MのADSLなどが登場これまでアジア各国では,数Mビット/秒以上の速度メニューが限られていた。あったとしても法人向けのサービスは総じて,ビット/秒当たりの料金が日本よりも高い。例えばマレーシアやインドネシアの専用線によるアクセス回線の料金は256kビット/秒でさえ月額10万円以上の料金がかかる。 シンガポールの場合は512kビット/秒で月額6万円程度と比較的安い。それでも日本なら,ビジネス向けのBフレッツを月額1万〜4万円で利用できる。IP-VPNなど閉域網のアクセス回線でも,0.5Mビット/秒で月額約3万5000円(NTTコムのイーサタイプNTT Com光アクセス)である。世界的にはむしろ,フレッツをはじめとする日本の通信サービスの方が異色な存在と言える。 それがこの数年,アジア各国の通信サービスでは高速化と低価格化が進んだ(図1)。「安い回線としてDSLのサービス・メニューが各国で充実し,通信料金を抑えられるようになってきた」(KDDIの井出洋一グローバルICT本部グローバル営業推進部長)。 しかもDSLの速度について,「2〜3年前までは最大でも2Mビット/秒程度。実効速度は運がよければ1Mビット/秒という状態だった」(ネットマークスの大倉部長)が,直近では大きな進歩が見える。例えばベトナムではADSLで最大8Mビット/秒のメニューが用意されている。日本の最大で40Mビット/秒超という速度には及ばないものの,「2Mビット/秒を超える範囲は専用線で」という,今までの常識は覆されつつある。 「中国で回線障害が減った」という声も各国を見比べて,特に通信サービスが充実してきたのが中国である。日本企業が数多く進出している上海や北京などの都市部では,ADSLのほかに光回線も利用できる。 通信の安定性の面でも改善されてきたという声が複数の企業ユーザーから聞かれる。ミツバの高橋氏は,「昔は,ルーターのメンテナンスや局側の切り替え作業などによって頻繁に通信が途切れていたが,今ではそのようなことはない」と証言する。「日本をはじめ複数の通信事業者や企業ユーザーとのやり取りを通して,通信品質を重視する考え方が中国の通信事業者に広がってきたのでは」と高橋氏は推測する。 アクセス回線だけでなく,各国内で使えるIP-VPNなどのサービスも徐々に整ってきた。中国では,通信事業者から回線提供を受けてサービスを提供する,日本でいう昔の第二種電気通信事業者に当たる企業が登場している。 香港パックネットは2009年6月,中国で合弁会社パックネット・ビジネス・ソリューションズを設立し,中国政府からIP-VPNの運営ライセンスを得た。従来,中国の国営通信事業者の配下でサービスを提供していたときは,いかにも政府系企業らしい“お役所仕事”の複雑な手続きが必要で,サービス提供に困難を極めたという。現在では「合弁会社とのスムーズなやり取りが可能になり,迅速かつ,きめ細かなサービスを提供できるようになった」(パックネットの景山秀基テクニカルサポート セールス・マーケティング部シニアマネージャー)という。 連載新着連載目次へ >>
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