前回紹介した全文検索システム「Kabayaki」の構築方法を紹介します。まず、システム構成例を挙げます。Kabayaki にはWindows 用もありますが、ここでは、Linux 用について説明します。Kabayakiの対応プラットフォームは、Red Hat Enterprise Linux 3 / 4 / 5です。

 Kabayakiを導入するには、依存パッケージを導入する必要があります。表1にそれらを示します。

表1●事前にインストールが必要な依存パッケージ一覧:
Expat 1.95.1 以上
perl-CGI
perl-File-MMagic 1.12 以上
perl-Jcode
perl-XML-Parser 2.30 以上
perl-XML-Writer 0.4 以上
perl-CGI-FastTemplate
perl-NKF 2.04 以上
perl-Digest-MD5
perl-libwww-perl
Perl-URI
chasen 2.2.9 以上
ipadic 2.4.4 以上
kakasi 2.3.0 以上
perl-Text-Kakasi 1.0.0 以上
namazu 2.0.10以上
perl-DBI 1.48 以上
perl-DBD-SQLite

 次に、http://www.kabayaki.jp/pub/gpl/バージョン/RPMS/i386/ から、KabayakiのRPM パッケージを取得します。格納場所は、表2に示します。

表2●Kabayakiのパッケージの格納場所
バージョンGPL 版 Kabayaki の格納場所
RedHat Enterprise 3http://www.kabayaki.jp/pub/gpl/redhatE3/RPMS/i386/
RedHat Enterprise 4 http://www.kabayaki.jp/pub/gpl/redhatE4/RPMS/i386/
RedHat Enterprise 5 http://www.kabayaki.jp/pub/gpl/redhatE5/RPMS/i386/

 各パッケージがインストール済みかを次のコマンドで調べます。インストール済みならば、パッケージの名前とバージョンが表示されます。

# rpm -qa | grep パッケージ名Enterキー

 インストールされていないパッケージがあれば、次のようにインストールします。

# rpm -ivh パッケージ・ファイル名Enterキー

 インストール済みのパッケージのバージョンが古い場合は次のように更新します。

# rpm -Uvh パッケージ・ファイル名Enterキー

 では、Kabayakiパッケージを導入しましょう。新規にインストールする場合は次のように入力します。

# rpm -ivh kabayaki-3.0.1-1.i386.rpmEnterキー

Kabayakiを動作させるための設定

 インストールした後、Kabayakiを動作させるためのいくつかの設定が必要になります。まず、ファイルの所有者を変更する必要があります。HTTP サービスを、ユーザー名「apache」、グループ名「apache」以外で動作させている場合は、「kabachown」コマンドを実行します。例えば、ユーザー名「kabayaki」、グループ 名「search」でプロセスが動作していれば、次を実行します。

/usr/sbin/kabachown kabayaki searchEnterキー

 次に、Kabayaki が正常に動作するには、セキュアOSの「SELinux」が無効になっている必要があります。「/etc/sysconfig/selinux」ファイルに

SELINUX=enforcing

という行があれば、

SELINUX=disabled
と変更後、マシンを再起動します。

 さらに、Webサーバーの設定も変更が必要です。Webサーバーの設定ファイル「httpd.conf」の末尾に次の行を追加し、「/var/kabayaki/etc/apache.conf」をInclude します。

Include "/var/kabayaki/etc/apache.conf"

 文字化け防止のために、「AddDefaultCharset」の設定変更が必要な場合もあります。AddDefaultCharsetが「ISO-8859-1」または「C」や「UTF-8」に設定されていたらhttp.confの該当行を削除あるいはコメントアウトします。

#AddDefaultCharset ISO-8859-1

 設定完了後に、Apacheを再起動します。

# /etc/init.d/httpd restart