米VMware社は2009年10月27日,無償提供している仮想化ソフト「VMware Player」の新版を公開した。新版では,Windows 7に正式対応,仮想マシンの作成機能の追加など大幅な強化を図っている。

 新版は「VMware Player Version 3.0」。これまでのバージョンでは,仮想マシンの作成を他のツールに頼るほかないことが大きな欠点だった。新版ではその欠点を解消。Windows 7にもいち早く対応する,ホストOSのプリンタを利用できるなど,他の仮想化ソフトを一歩抜きん出たものになっている(図1)。

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ゲストOSのインストールまで一気に

 まず,VMware Player 3.0で動作するホストOSおよびゲストOSは表1のようになる。

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 今回,Windows Vista上で仮想マシンを作成し,あえて最新のUbuntu 9.10をインストールする作業を実施してみた。

 Ubuntu 9.10 Desktop 日本語 Remix CDのインストール・メディアをDVDドライブに挿入したまま,VMware Playerを起動。VMware Playerの画面が表れ,右側にある「新規仮想マシンの作成」をクリックする。インストールするメディアを選択する画面が出てDVDを選択すると,ゲストOSの選択画面が出る。デフォルトでUbuntuが選ばれているので[次へ]をクリック。仮想マシンの名前もそのままにし,ディスク容量の指定も推奨サイズで進む。完了をクリックすれば仮想マシンが出来上った(図2)。ここまで1分もかからない。

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 デフォルト設定では,CPU1個,メモリー512Mバイト,ネットワーク接続はNAT(ネットワーク・アドレス変換),CD/DVD,USBが利用可能,といったものだ。細かい設定が必要ならば,最後の画面で「ハードウエアをカスタマイズ」を選択すれば設定画面が表れる。

 続いて,その仮想マシンを起動すれば,Ubuntuのライブ版が起動するのでデスクトップ上のインストール用アイコンからUbuntuのインストールを実行する。ほとんど何も考えずに,仮想マシンの作成からOSのインストールまで完了できた。デフォルトの設定でウイザードを進められ,かつ他の仮想化ソフトのように仮想マシンを作ってからOSのインストールという2段階にならないため,極めて楽な作業になっている。

 VMware Player 3.0が対応していないFedora 12で同様に実施したところ,「ゲストOSが対応していない」というメッセージが出た。この場合,最初の画面下にある「後でOSをインストールする」を選んで進めると仮想マシン作成後にインストールできた。

 旧版のVMware Playerで動作していた仮想マシンもそのまま動く。USBメモリーも,挿すだけで自動認識するようになった。マルチモニターが利用可能なように,右下には画面切り換えのアイコンが出ている。同じく画面下には,「VMware Tools」を導入するためのアイコンもある。VMware Toolsは,ホストOSとゲストOSの時刻を同期させるなど便利な機能を備える。アイコンをクリックしてアーカイブ・ファイルをローカルにコピーして展開した後,該当ディレクトリから管理者権限で

# ./vmware-install.pl a Enterキー

Enterキーこのマークで改行

と実行すれば,あとはデフォルト設定で質問に答えていけばよい。