開発のおおまかな手順は,図2のようになる。

図2 開発手順のおおまかな流れ
図2 開発手順のおおまかな流れ
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 Androidには,アプリケーションを開発するためにフレームワーク*がある。アプリケーションのロジック(本体)は,フレームワークにある「Activity」や「Intent」といったクラス・ライブラリ*を使って書く(図3)。

【フレームワーク】 Webアプリケーションなど特定のタイプのソフトウエアを対象とし,開発の効率を高めるために定義ファイルやクラス・ライブラリを集めたもの。フレームワークを使えば,自ずと開発のやり方が定まる。
【クラス・ライブラリ】 Javaのようなオブジェクト指向言語で使う,ひな型のようなライブラリ。これを使って実際に動作するプログラム(インスタンス)を作成する。

図3 Androidのフレームワークの構成要素それぞれの要素はクラス・ファイルや定義ファイルで実装される。
図3 Androidのフレームワークの構成要素それぞれの要素はクラス・ファイルや定義ファイルで実装される。
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 画面に表示する文字列や画面のレイアウトなどは「リソース」と呼ぶXML*ファイルに,アプリケーションの名前やバージョンなどの情報は「マニフェスト・ファイル」というXML ファイルに記述する。

【XML】 Extensible Markup Languageの略。HTMLと同様のマークアップ言語で,利用者が自由にタグを定義できる。主にデータの管理や交換のために利用する。

 これらを使って記述したプログラムやXMLファイルは,Android用のEclipseプラグインで「アプリケーション・パッケージ・ファイル」(apkファイル)にまとめられる。

 一般的に,PC上で動作するアプリケーションを開発する場合には,プログラミングを行う環境と,開発したアプリケーションを実行する環境が同じだ。これに対し,今回のような携帯電話用アプリケーションは,プログラミングを行う環境と実行ファイルの動作環境が異なるクロス開発となる。開発機のPC上には,実機を模擬動作させるエミュレータ・ソフトを用意する。アプリケーションはエミュレータ・ソフト上で実行できるし,apkファイルを実機に転送すれば実行できる。