「エクスプローラ」は、まさにWindowsのユーザー・インタフェース機能の中核と言っていいものだろう。その役割は、メインである「ファイル管理」だけに止まらず、「検索」、「アプリケーションの起動」、「コンテンツのプレビュー」など実に多岐にわたる。今回は、Windows 7でも操作の中核となっている、そんなエクスプローラに焦点を当ててみよう。
なお、Windows Vistaまでは「コンピュータ」「エクスプローラ」のように末尾の長音表記を省略していたが、Windows 7ではこの表記方法が変わり「コンピューター」「エクスプローラー」のように表記するようになっている。今回の記事では、画面での表記などの一部を除き、原則として従来と同じ「エクスプローラ」という表記を使う。
Windows 3.xのファイルマネージャが発展
エクスプローラの発祥は、Windows 3.x時代の「ファイルマネージャ」にさかのぼる(図1)。Windows 3.xでは、現在のエクスプローラが担当する主要な仕事のうち、アプリケーションの起動を「プログラムマネージャ」と、ファイル管理を「ファイルマネージャ」と、二つのツールに分けて分担する形になっていた。
続くWindows 95で、この2つのマネージャを統合し置き換えるものとして、はじめて「エクスプローラ」が搭載された(図2)。だが、図2の画面を見てもわかるように、名前こそエクスプローラとなったものの、見た目はファイルマネージャに似ており、備えている機能も現在と比べると少なく貧弱だ。
その後もWindowsがバージョンアップする度に、エクスプローラは進化を続けた。検索機能やプレビュー機能が追加され、Windows XPではフォルダ・ツリーを表示していたウィンドウ左側の領域に、タスク一覧まで表示するようになった。
Windows Vistaで、ウィンドウのレイアウトが大きく変化する。アドレスバーは「パンくずリスト」と呼ばれる形のボタンになり、『コンピュータ→ローカルディスク(C:)→Program Files』といったように今現在開いているフォルダが所属する上位のフォルダをツリー順に表示するようになった。これにより、フォルダ・ツリーを使わなくても、すぐに上位のフォルダに移動できるようになり操作が簡単になった。また、左側の「ナビゲーションペイン」には、フォルダ・ツリーに加え、任意のフォルダへ簡単にアクセスできる「お気に入りリンク」を配し、ステータス・バーは「詳細ペイン」となってフォルダやファイルの詳細情報を表示するようになった。