Windowsユーザーに限らず、コンピュータを利用している人にとってセキュリティは常に頭の痛い問題である。2009年末にもWindowsサーバーのWebサーバー用ソフトウエアである「Internet Information Services」でセキュリティ・ホールの騒ぎがあった。また、2010年にはMicrosoftよりもAdobeを狙う攻撃が増えるかもしれない。

Take1:Microsoft、「IISにセキュリティ・ホール」との報告を一蹴

 米MicrosoftのWebブラウザ「Internet Explorer(IE)」は攻撃対象になる恐れがあって危険だが、Webサーバー用ソフトウエア「Internet Information Server(IIS)」は安全でそのまま使い続けられるらしい。Microsoftが2009年12月最終週、「Webサーバー上のコード実行につながるセキュリティ・ホールの悪用がIIS 6に存在する」という報告を否定したのだ。

 Microsoftは調査後、このセキュリティ・ホールと呼ばれる問題がWebサーバー管理者による不適切な設定に起因すると結論付けた。これではヒューマン・エラーという昔ながらの言い訳である。

 ところで、ロボット店員が自動化された食料品店のレジで働く時代になると、レジ担当ロボットが普段より少しだけモタモタしている人間の客にヤレヤレといった様子で首を振りながら「人間よ、大丈夫ですか」と声をかけてくる。ロボットたちは、人間が必ずミスすることを知っているのだ。そしてレジ・ブースでは、間違いを犯しがちな人間がハムスター用の回し車に似た機械の中で走り、ロボットが最後まで作業を続けられるよう発電して電力を供給している。そういう状況になりつつある。

Take2:「2010年はAdobeがMicrosoft以上の標的に」、セキュリティ専門家

 米Adobe Systemsが、ありがたくない「ナンバー・ワン」の座を獲得できる項目を考えてみた。

 米McAfeeのセキュリティ専門家によると、2010年には「Adobe Reader」および「Flash」関連のセキュリティ・ホールが「Microsoft Office」のそれを超え、IT分野における最悪の脅威になるという。この予測は、ハッカーたちが攻撃対象としてOSよりもアプリケーションを狙うようになってきた、という状況を見れば当たり前である。さらに、Adobe ReaderとFlashが世界中で最も多く使われているアプリケーションであるため、攻撃されるのも当然だ。

 さらにMcAfeeは、2010年にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)とHTML 5に対する脅威も台頭すると報告している。もう少ししたら、靴を脱いで金属探知ゲートを通過しないとWebブラウザを使わせてもらえない時代になる。