2009年は「Windows 7」の話題に埋め尽くされた一年だった。年明け早々に米国ラスベガスで開催されたCES(2009 International Consumer Electronics Show)の基調講演において、いきなりスティーブ・バルマーCEOからベータ版の提供が発表された。それに続き、5月にRC(Release Candidate:製品候補)版が公開された後、7月にはRTM(Release to Manufacturing)版としてコードが完成。完成したコードは、8月中旬に開発者向け、9月から企業ユーザー向けと順次提供を開始し、10月22日からはプリインストール・パソコンやパッケージ版といった形でだれでも簡単に入手して使えるようになった。この年末・年始にWindows 7パソコンの購入を検討している人もいるかもしれない。Windows 7発売までの話題や、実際に登場した製品の詳細を改めて振り返ってみよう。

年明け早々に公開されたベータ版が高い関心を集める

PDC 2008のキーノートで初披露されたWindows 7
PDC 2008のキーノートで初披露されたWindows 7

 Windows 7がはじめて登場したのは、2008年10月下旬に米国ロサンゼルスで開催された「PDC(Professional Developers Conference) 2008」にさかのぼる。このイベント2日目の基調講演で、Windows 7の開発責任者Steven Sinofsky氏によってWindows 7のデモが初披露された(関連記事)。PDC 2008ではWindows 7に関連するセッションや展示もされ、これ以降Windows 7に関する具体的な情報がMicrosoftから公開されるようになった(関連記事)。

 年が変わり2009年に入った早々の1月7日(米国時間)、世界最大級の家電展示会「International CES」で開催された基調講演の壇上で、米MicrosoftのCEOであるスティーブ・バルマー氏からWindows 7ベータ版の提供開始が発表された(関連記事:[CES2009]Windows 7ベータ版を公開)。このベータ版は、世界中のユーザーに対して幅広く公開された。もちろん日本向けの日本語サイトも用意されたことから、申し込んで使ってみた人もいるだろう。世界中から多くのダウンロードが殺到して一時うまくダウンロードができない状態になり、米Microsoftは公開期限を1月24日から2月10日に大幅に延長すると同時に、ダウンロード数の制約も当初の250万件から無制限にするなど、Windows 7が高い注目を集めていることを感じさせた2009年の年明けとなった。

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特番サイト「Windows 7ウオッチ」
特番サイト「Windows 7ウオッチ」

 ITproでも、Windows 7へ読者の注目が集まっていることを受け「Windows 7ウオッチ」と呼ぶ特番サイトを用意。注目を集めるWindows 7ベータ版について、ITproでも「Windows 7レビュー」という連載として、評価記事を週に1本ずつのペースで掲載するなど、数多くの記事を公開してきた。それらのいずれの記事も、多くの読者に読まれ、Windows 7に対するITpro読者の関心の高さが実感できた。ITproが実施した調査でも、3月の時点で約9割の人がWindows 7を知っており、「まったく使う気がない」という強い拒否反応を示した人は7.4%と少数派だった。ベータ版を使ってみたITpro読者も、3分の2以上の人が「出来がいい」との評価しており、ベータ版の段階でWindows 7の完成度の高さが実感されていた。

 マイクロソフトからは、Windows 7を積極的にアピールし始めたり、製品のエディション構成といった販売関連の情報が明らかにされたりするなど、具体的なマーケティング活動を開始。具体的な機能や使い方に関する説明もするようになった。製品の開発と並行して、こうした情報提供をすることで製品の発売に向けた市場へのアピールを着々と進めてきた。

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